ぶつかればいい ページ7
カミロside
〜ドロレスの部屋〜
ドロレス「なるほど。つまりジョグさんって人がAのことをデートに誘ってる現場を見て腹たってる…と。」
カミロ「…腹立つって表現もなんか違う気がするけど。多分…嫉妬。」
ドロレス「心狭いわね」
カミロ「うるさいな」
ドロレス「それで……どうしたいわけ?」
カミロ「心の中ではもちろん行って欲しくないし、全力で止めに行きたいとまで思ってるよ。だけど……」
ドロレス「……」
カミロ「言ってしまえば、僕はAのことがただ好きなだけの男の1部に過ぎないんだよ……。そりゃ、10年の片想いっていうむしろ誇れる肩書きはあるけど。
でも…ジョグさんって嫌なことに背はものすごく高いし、僕にめちゃくちゃ敵対心剥き出しだし、いかにも好青年って感じでさ……まるでAが昔持ってた絵本の中の王子様みたいなんだよね」
ドロレス「(…Aとミラベルの部屋から同じ話が聞こえるとは言えないけど……。)
要するに、自信ないのね」
カミロ「うっ……そういうこと」
ドロレス「Aの幸せを考えてるんでしょ、カミロが優しいことくらいわかるわ。」
カミロ「え……」
ドロレス「…マリアーノがイサベラにプロポーズしかけた日、私はミラベルがブルーノのヴィジョンにいた事をみんなに伝えた。最終的にプロポーズは台無し、だけど私はそれでも最後に想いを伝えた。」
カミロ「あの時、イサベラとミラベルすごい喜んでたね」
ドロレス「つまり言いたいことは…カミロは自分の気持ちをもっと大事にしていい。Aは絶対あなたを嫌ったりはしないわ。」
カミロ「そうかな……」
ドロレス「そうね、もし嫌われたら……和解するまでAとぶつかればいい。イサベラとミラベルができたみたいにね」
カミロ「……そっか……。ありがとう、姉ちゃん。僕、明日頑張るよ」
ドロレス「その調子」
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作者名:ひ | 作成日時:2023年12月29日 0時