64話 ページ31
太宰side
太「人体錬成って…危険なことなんじゃ」
対価以上のものを手に入れようとすれば命に関わる危険な錬成…
シ「危険だな…何せ対価がどれだけのモノなのかまったく判らない…しかもあの時のAは息をするのもやっとだった」
そんな…そんな状態で彼女は人体錬成を?
太「何故…」
シ「判らないか?…お前はどうして今ここに立っている?どうしてお前の消滅するはずだった内蔵が今こうして存在している?」
太「……私の…ため?」
そんな…じゃぁ彼女は…
シ「幸いな事に対価として命が持っていかれることは無かったが……」
太「………彼女は…何を失った?」
聞きたくない……でも…聞かないといけない…
シ「……左眼だ」
太「ッ…」
シ「視力がじゃない…左眼そのモノを持っていかれた…二度と元に戻ることはない…」
太「……ハハ…結局私は──」
彼女を護るどころか護られてしまったのか…
私の所為で彼女は生死をさまよって…
シ「お前のせいでじゃない…コレはあいつが望んでやった事だ────お前が気に病むことは無い」
太「でもッ…」
私が居たから…こんな結果になってしまったんだろう?
太「なんで…なんで私を助けたりなんかしたんだッ!」
シ「……そんな事言うな…それを言ってしまったらあいつがやった事が否定される事になる」
それでもッ…私を救う価値なんてッ…ありもしないのにッ
シ「……お前に頼みたい事がある────あいつを幸せにしてやってくれ」
太「…私がかい?」
あの子一人さえ護ってやる事の出来ない血に汚れた人間の私が…彼女を幸せに?
シ「あいつは…昔殺し屋だった」
なんとなくだが判っていた…私と同じ…闇の世界から光の世界にやって来た子だと
シ「両親には愛されることもなく裏社会で殺しをしていく事でしか生き方を知らず…導いてくれた恩人には死なれて…幸せなんかとは程遠い存在だった」
太「……」
シ「人の命は皆平等ではない…この世界は理不尽であり死ぬ時は死ぬのだと…そんな世界の成り立ちに抗いもしなかったあいつが…一人の人間の人生を自身を犠牲にしてまで救おうとした……太宰…お前にしかあいつを幸せにすることは出来ないんだ……」
太「……私が…幸せに?」
本当に出来るのだろうか………判らない…でも……幸せにしてやりたい……他の誰かの手ではなく………私の手で……今度こそ…護ってやりたい
シ「……フッ………頼んだぞ───太宰」
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まい(プロフ) - け、けんじくんがいる……… (2023年1月22日 9時) (レス) @page10 id: def71fa4a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢ウサギ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!ストーリーがしっかりしていて、読みがいがありました(*^^*) (2018年4月4日 20時) (レス) id: ee67fd9924 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - ちなみにアンケートで、一番の「この作品の原作へgo!→この作品の夢主ちゃん(太宰さん の彼女)で原作に突入!!」でお願い致します!私も作品作っていますので宜しければ読んで頂けると嬉しいです! (2018年2月24日 13時) (レス) id: 78dbacfd46 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 十六夜狐さん!はじめまして!鈴です(*´ω`*)この作品凄く好きです!続きが楽しみですこ更新頑張って下さい! (2018年2月24日 13時) (レス) id: 78dbacfd46 (このIDを非表示/違反報告)
芹沢 - 一番でお願いします (2018年2月24日 3時) (レス) id: 2bd0322ac8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜狐 | 作成日時:2018年1月19日 22時