【文豪ストレイドッグス】太宰さんの外套とループタイの秘密

30話 ページ29

太宰side


国木田君が出した珈琲を一口も飲まないAちゃんが気になって質問してみると予想以上の答えが返ってきた


太｢受け付けない？｣


『……信用してない訳ではないんです。でも体が拒絶反応をおこしてしまうんですよ。すいません。国木田さんを疑ってるとかそういうのではないんです』


国｢そうなのか…否、気にすることは無い｣


人から貰ったものは飲み食いできない…いったいどんな環境で育ったのか…


少なくとも日常的に食べ物や飲み物には毒が仕込まれていたってことだろう


太｢因みに最後にご飯を食べたのはいつ？｣


『…師匠が死んでからは全く食べていないのでかれこれ七年は…』


国｢七年もだと！？普通なら死んでるぞ！｣


国木田君の言う通りだ


人は水だけで過ごしたとしてもって一週間程


『それは慣れてしまった…としか言いようがないですね』


慣れで何とかなるものなのか…


『すいません。せっかく用意して頂いたのに…』


国｢俺はいいんだが…何か口に入れないと体がもたんぞ…｣


太｢確かに。せめて飲み物だけでも……そうだ！！｣ｽｯ


いいこと思いついた！


私は彼女の珈琲を手に取る


『太宰さん？』


国｢何をするつもりだ｣


ふふふ…いいから見ていたまえ


太｢なに…ただ一口だけ頂くだけさ｣


『え？』


太｢…ｺﾞｸ｣


私はAちゃんの目の前で珈琲を一口飲む


国｢太宰？｣


太｢ふむ…なかなか美味しいねー。流石国木田君｣


『えっと…』


太｢見たかい？私は今君の目の前でこれを飲んだ。だけど何もおこっていないよ。毒は仕込まれてないから安心して飲みたまえ｣


『！！』


飲めないのなら大丈夫だと教えてあげればいい


毒が入ってないことを見せて教えてあげれば体は受け付けてくれるはずだ

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