【文豪ストレイドッグス】太宰さんの外套とループタイの秘密

18話 ページ17

福沢side


『…えっと……私の顔になにか？』


福｢！！……済まない…驚いただけだ。先程の行動…見事であった｣


私でも目で追いつけない程のスピード…この少女がただ者ではないことは確実だ


『…あぁ…大した事では｢ﾆｬｰ｣こらこら遮るんじゃない』


猫｢ｸﾞﾙﾙﾙ♪｣ｽﾘｽﾘ


福｢……懐かれたようだな…｣


まぁ悪い子ではないだろう


『………猫好きなんですか？』


福｢………あぁ…だがすぐに逃げられてしまうのだ｣


『もしかして立って近づいたりしてます？』


何かまずいのか？


『動物は自分より大きなものに警戒をしますから…しゃがんで向こうから近づいてくれるのを待つんですよ。猫には猫のペースというのがありますからね』


福｢そうなのか…｣ｽｯ


私は少女の言う通り猫と目線を合わせ手を差し出してみる


猫｢ｯ！！｣


『大丈夫だよ^^この人は君を助けようとしてくれた人だからね』


助けたのはこの少女だがな…


猫｢……｣ｽﾘｽﾘ


福｢！！｣


『おぉ！擦り寄ってくれましたね！』


あれだけエサを見せても近づこうとしなかったのに…


福｢お主は動物などに詳しいのか？｣


『んー…動物っていうよりは…色んな人間を見てきたからかですかね…人間も猫と同じでそれぞれ一人一人が己のペースというのを持っていますから…』


色んな人間を見てきた…か


福｢………色々あったのだな…｣


『いえいえ…大した事はありませんよ(苦笑)』


不思議な少女だった


人を惹き付ける不思議な何かを持っていると


そう思った


『！！……すいません私はもう行きますね』


福｢……あぁ……色々済まなかった｣


『私が好きでやった事ですしお気になさらず。では』ｻｯ


そう言って彼女は立ち去って行った


福｢……名前を聞くのを忘れてしまった｣


また会って話したいものだ…


猫｢ﾆｬｰ｣


福｢ふっ……｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

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