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10話(過去) ページ11

太宰side


『でも貴方の格好は夜だったら目立たないけど日が昇ると目立っちゃいますね…』


太「…そうだね」


今の私の格好はマフィアの姿で黒一色


闇の中なら目立たないが日が昇った時のことを考えると…

『………そうだ…』ゴソゴソ


太「?」


彼女は何かを思いついたのか自分が持っていた荷物を探り始めた


と言っても手頃のリュックのようなものなのだが…


『……あった…これ使ってください』スッ


太「!!…これは…」


彼女がカバンから出したのは砂色の外套…


その外套は織田作が使っていた物と同じ色をしていた


『私の死んだ恩人…師匠が使っていたものなんですけど私には大きすぎて(苦笑)貴方なら使えると思ったんですけど…』


太「しかし…」


『やっぱり死んだ人のを使うのは嫌ですよね…』


違う…違うのだよ…


太「私は別に気にしないのだが…君はいいのかい?…要するにその外套は言わばその人の形見…」


彼女にとって大切なもののはずだ


そんな大切なものを私なんかに…


『……確かにこれは師匠の形見です……でも使うことの出来ない私が持ち歩くより誰かの…ましてや今から人を救う側に行こうとしている人の力になれた方が死んだ師匠も喜びます……貴方が良ければ使ってください』


………彼女の強い意志に無理という選択肢は無かった


太「分かった…有難く使わせてもらうよ」スッ


私は彼女から外套を受け取る


バサッ


そして今来ている黒い外套を脱ぎそれを着てみる


太「どうやらサイズは問題なさそうだね…」


それはまるで私のためにあったかのように私に馴染んでいた


『サイズが合って良かったです!……でも何かものたりませんね…』


太「?」


私は十分だと思うのだが…


『そうだ!!これも差し上げます!』


そう言った彼女が次に差し出したのは自分が身につけていた緑の石がはめ込まれたループタイだった


太「!?これは君のだろう?」


『いいからいいから♪』


私の言葉も無視して彼女は私の首にループタイをかける


『うん!こっちの方が似合ってますよ!』


太「流石にこれまで貰う訳には…」


『いいんですよ!私からのプレゼントです!新しい道へ進む貴方へのお祝い品ですよ!』


太「!!」


何を言っても彼女の意志は曲がることはないと思い有難くそのループタイを貰うことにした…


呆れの気持ちと一緒に何処か嬉しいと思う自分もそこにはいた

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都昆布 - とても面白いです!!  鋼の錬金術師も文ストも大好きなので、是御話がとても素敵な物に感じます!! 更新頑張って下さい。そして、御体御自愛下さい。m(_ _)m (2018年7月21日 5時) (レス) id: 3d2abb781f (このIDを非表示/違反報告)
翠鏡華(プロフ) - やばい!ハガレン大好きなんで読んでいて楽しいです!しかもハガレンって夢小説あんまり見かけないのでなんか嬉しいです(笑)更新頑張ってください! (2018年5月13日 23時) (レス) id: e6edeaae6d (このIDを非表示/違反報告)
キラリ&キララ(プロフ) - 29話でわたしがまたしになっていたり、くれないがくるないになってますよ? (2017年12月22日 19時) (レス) id: 8fa86492e9 (このIDを非表示/違反報告)
木城時雨(プロフ) - すごいい面白いです!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2017年12月22日 17時) (レス) id: ad5b4e020e (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - ハガレン…良き!! (2017年12月13日 18時) (レス) id: 67747d78f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十六夜狐 | 作成日時:2017年12月2日 10時

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