弐拾仇 ページ41
朝、無一郎が屋敷に帰ってきた
『おかえり無一郎……って!怪我してるの!?大丈夫なの!?』
無「大丈夫だよ、これくらい……」
『大丈夫じゃないよ!えっと、どうしたらいいの!?取り敢えずしのぶさんの所に行けばいいの!?』
無「落ち着いて月稀乃……」
『あ、ごめん……取り敢えずここには包帯とかも無いからしのぶさんの所行こう?』
無「分かった」
『しのぶさん居ますか?』
し「どうしましたか?……あら」
『無一郎が怪我してて……』
し「結構深いですね、鬼が強かったのですか?」
無「否、覚えてないですね。」
そうか……無一郎は記憶忘れてしまうんだった……けどどうして私の事とかは覚えてるんだろう?後で聞こう。
し「取り敢えず診察しましょう。その後は暫く蝶屋敷で安静にしといて下さい。では着いてきてください。時透君。」
無「はい」
『あっ、なら私すみちゃん達手伝ってきますね。』
し「はい。よろしくお願いしますね。」
『……無一郎、怪我は本当に大丈夫?』
無「多分鬼の血鬼術だろうって。明日になれば動いていいって。今日は休み。」
『そっか、よかった!……ねぇ無一郎』
無「ん?」
『無一郎は記憶を忘れてしまうでしょう?それなのにどうして私の事は忘れないの?』
無一郎は数秒驚いた顔をしたけど、暫くすると笑いだした。
『えっ!?どうして笑うの?なんか変な事言ってた?』
無「否、ごめんね。確かに僕は月稀乃の事を忘れた事はないよ。会話も事細かに覚えている」
『どうして?』
無「分からない……けど月稀乃の事は忘れては行けないと本能で覚えているのかな?」
『分からないって……けど、なんか嬉しいな』
無「どうして?」
『分からないけど、なんか私だけ特別みたいで凄く嬉しいの』
無「……当たり前じゃん。僕にとって月稀乃は特別な存在だよ。居なくなったら僕は狂ってしまうかもね。それ程までに月稀乃は大切だよ。」
『私も無一郎が居なかったら駄目……だからさ、我儘かもしれないけど……』
無一郎に対してこの我儘は迷惑かも知らない
『私の我儘。お願いだから、死なないでね……迷惑かもしれない。無一郎は柱だから、でもこの件で私は無一郎を失ってしまうのがとても怖いの、だから……』
無「分かった。叶えるよ。」
『え?』
無「月稀乃の為に俺は死なない。死ぬ時は月稀乃と一緒がいい。」
『えっ?』
混乱してきた……
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レイ - 面白いです!大正とキメ学が両方あるの良いですね!更新楽しみにしてます!! (2019年11月28日 18時) (レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霊来 | 作成日時:2019年10月20日 17時