弐拾壱 ページ22
「「姫〜、若が元気ねぇぞ〜」」
「みんな若に連られて復興の手が進まねぇぜ」
「ヒナたちもやる気が起きねぇ…」
『そう…』
確かにここ数日、浅草に活気がいまいち戻らない
『…じゃあ2人とも、皆の元気を出す為に手伝ってくれる？』
「「なんだ〜？」」
今は3時頃、もう少しすればみんな小腹が空いてきた頃だろう
『今から作業している皆さんの分、おむすび握ろっか』
沢山握ろうと思い炊いていたお米を見せる
「「仕方ねぇな」」
おむすびは塩と海苔だけの物
ヒカとヒナは少し形が歪で、小さいが、こんな可愛いおにぎりは皆食べたがる
他のお手伝いさんにも手伝ってもらいながらお米を少しずつ減らしていく
『お盆いっぱいになったので配ってきますね』
「「姫！手伝うぞ」」
『皆さん、おむすびが出来ましたので少し休憩してはどうですか？』
「「仕方ねぇから食わせてやるぜ！！」」
作業をしていた皆さんが手を休めこちらにやってくる
「これ、ヒカたちが作ったのか？こっちの綺麗なのはお嬢だな！美味そうだ、1つ頂くぜ？」
「あのヒカヒナが飯を作るとは、明日は雨が降るぜ」
「「なんだとぉ！」」
お盆にいっぱいだったおむすびはすぐに無くなっていく
『まだありますから、待っててください』
新しいものを持ってきて、無くなっては取りに行きを繰り返していると、少しずつではあるが皆さんの活気が戻ってきた
でも、肝心の人がまだ来ない
『…ヒカ、ヒナ。私少し探しに行ってくるから残り配っといてくれる？』
「「任せろ！」」
おむすびを2つ持ち、紺炉が戦闘をした場所へ赴く
『……紅』
「桜か…」
『おむすびをね、ヒカヒナと握ったの。食べない？』
紅に小さなおむすびを渡す
「おう…」
隣で私も一緒に食べている間に紅がおむすびを平らげる
『美味しかったでしょう？』
「ああ」
『いつまでもそうやってグズグズしてると、紺炉や先代が心配しちゃうよ？大隊長さん』
「俺は大隊長なんかにはなれねぇよ」
『なれるよ。紅にはもう十分な器が出来てるよ。10歳の頃からずっと見てたもの』
しゃがんでいる紅の前に立ち抱き締め頭を撫でる
「っ！、おいっ、」
『ふふ。紅、こうしていると子供みたいだよ？』
下から見上げてくる紅に笑いを零しながら離すと紅は立ち上がる
「…こんな俺でも着いてきてくれるか？」
『勿論だよ』
ギュッと一瞬だけ抱きしめ合うと一緒に詰所へ帰る
浅草の王様が今、ご帰還になります。
終わり
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雪野(プロフ) - いえいえ、よかったです(^-^) (2020年11月29日 15時) (
レス) id: 80d98c577b (このIDを非表示/違反報告)
霊来(プロフ) - 雪野さん» ごめんなさい公開するの完璧忘れてました……今公開しました。すみません… (2020年11月29日 13時) (レス) id: a7f52eeadc (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - ページ項目の10の次が12なんですが、11はどこにいったんでしょう...? (2020年11月29日 8時) (レス) id: 80d98c577b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2020年11月5日 6時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 霊来さん初めまして、続きが楽しみにしてます。応援してます。 (2020年11月3日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霊来 | 作成日時：2020年10月24日 1時
