8-20:キリスト教の教え ページ32
私達は伊吹と無線を繋いだままガマさんの家の前に待機する
蒲郡「1番好きな写真なんだ、俺と一緒に年を重ねた顔だ」
伊吹「わぁ〜…」
伊吹の無線を通して聞こえて来るガマさんの声
蒲郡「急に麗子の写真をみたいなんてどうしたんだ?」
伊吹「えへへ…麗子さん優しかったなぁ」
蒲郡「よく言ってた、キリスト教の教えは"許し"なんだって…イタリアでは窃盗犯は直ぐに釈放される…彼らは生活に困ってやむなく盗みを働いた…最初から罪深い人間はいない……俺達は犯人を逮捕することで悪しき行いを止める……逮捕されたものは服役することで罪を償う……それは"許し"を与えることだ……俺はそうやって刑事を続けてきた」
伊吹「……麗子さん、病気じゃなくて…事故にあったんだね…事故のことも犯人も…忘れた、そうだよね?ガマさんは事故で怪我して全部忘れちゃったんだよね…?」
蒲郡「……退官して…家内とゆっくり暮らそうと病院に近いこの家を買った…子供はできなかったしアイツには随分寂しい思いをさせた…だからこれからは……3年足らずだったか…いい時間だった」
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作者名:翠春 | 作成日時:2024年3月2日 17時