沈んだ心の色は【MIU404】 (ページ30)

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8-18:お前の勘はページ30

伊吹「で？なんか言いたいことあるんだろ？それで来たんだろ？」

志摩「おー野生の勘」

伊吹「バカにすんじゃねぇよ」

志摩「お前の勘ってさ〜働く時とちっとも働かない時があるよな…思い返して見れば勘が働かない時はいっつも感情が蓋をしてる時だ…感情のバイアス」

伊吹「出たバイアス〜好きだねそれ〜てか勘とかそういうの信じないスタンス〜じゃなかったの？」

志摩「考えを変えた。伊吹の場合､動体視力や聴覚や嗅覚が鋭い分人より多くの情報が脳に入る」

伊吹「脳？」

『だけど思考力と語彙力が足りない所為で論理立てて説明出来ない、上手く言語化もできない…その結果"俺様の勘だぁ〜"ってみたいな馬鹿みたいな物言いになる』

伊吹「それ褒めてる？…よくわかんないけどそうなの？」

志摩「……お前の勘は今何を感じてる？」

伊吹「……」

志摩「感情と昔の思い出で蓋をしたお前の勘は何か感じてるんじゃないか？」

伊吹「……何が？むじぃよ」

志摩「いや俺は最初から気になってたよ？ガマさんの家の奥さんの歩行器」

『あれは普通の力で曲げられたんじゃない何かがあった曲がり方だった…伊吹も気付いてたんじゃ？』

志摩「奥さんは今年の四月に亡くなった、その頃ガマさんに会ったか？4機捜に移動して来たばっかで会えて無かったんじゃ無いか？」

『後で聞いて"病気で死んだ"と聞かされてそれ以上聞けなかった…違う？』

志摩「……奥さんは交通事故で死んだ…現場はガマさんの家の前､轢き逃げで犯人はまだ捕まってない…」

『ガマさんも事故に巻き込まれて頭部に損傷を負った…事故の時の記憶は何一つ覚えていない…そう証言した』

志摩「医師の診断は外傷性の高次脳機能障害…認知症と同じ薬を使う」

伊吹「…なるほどねぇそっかそっか!それで記憶が!うん!」

志摩「本当に記憶を失ったと思うか？」