9話 ページ10
−鈴side−
──2005年7月
｢この問題を、そうだな──夏目、解いてみろ｣
『はい』
ガタッ
教師だからって偉そうにしやがってイラつくな。命令すんじゃねぇ。
わざわざ書かせる意味あんのかよ。口頭で良いだろーが、めんどくせぇな。
何かと当ててくんだよなこのクソジジイ。問題解かせるのも教材運ばせるのもほぼオレじゃねーか。
カッカッカッ、カタ
｢正解だ。本当にお前は優秀だな｣
ぽん
『どうも』ﾆｺ
｢お前らもこの位簡単に解けるようにしろよ〜｣
触んじゃねーよ、気持ち悪ぃ。
女生徒の頭撫でたらセクハラで捕まるからな。悲鳴上げられてビンタでもされろ。
男のオレが優秀で良かったな。感謝しろよクソジジイ。
ガタンッ
｢鈴君また当てられたね｣
『はは、何でだろう。オレじゃなくても皆分かるのにね』
｢あの先生悪い噂しか聞かないから気を付けてね｣
『大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。君も気を付けてね』
やべー、誰だっけこの子。全く覚えてない。
隣の席の子なんだけど今の席は出席番号順だから、、、いや半間以外誰も覚えてねーや。
覚えてても男子の下の名前だけだ。女子と関わることなんかねーと思ってた。
まぁ、女子の情報なら合ってんだろ。このクソジジイは生徒皆から嫌われてるってことだろ。
誰が良い教師とか知らねぇけどこのクソジジイは悪い教師ってことな。
もし体罰受けてもやり返せば良いだろ。その後は訴えてはい、サヨナラ。
荷物運び位なんちゃ無いし、当てられても成績上がるなら得だろ。
触られんのは一生ムリだけど。来年あたりにはどっか異動になってねーかな。
｢ねぇねぇ鈴君｣
『ん？どうしたの？』
｢今日のお昼ご飯いっ──ガラッ
｢アレ、授業中だった？｣
『半間じゃん』
半間｢やっほーネコちゃん♡迎え来たよ♡｣
｢お、オイ！遅刻しといてその態度は何だ！？｣
半間｢あ？｣
『半間』
半間｢チッ、、ネコちゃん帰ろ。先行ってる｣
『おー。先生、オレ早退しますね』
｢は、、ダメに決まってるだろう！？大体あんな奴と絡んでるから君まで影響を受けるんだ！！｣
『はは、何言ってるんですか。オレは元からこんなんですよ』
毎日早退したりしてんのに真面目な訳ないだろ。
半間のこと｢あんな奴｣とか言いやがって。テメェの目ん玉にシャーペンぶっ刺すぞ。
｢鈴君！、、行っちゃうの？｣
『うん、またね』ﾆｺ
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年8月6日 10時
