8話 ページ9
−鈴side−
『おっちゃん遊び来たよ〜』
ボクおじ「おー、3週間ぶりだな」
『先週雨だったからね』
ボクおじ「今日は何してぇ?」
『ディフェンス!ガッツリじゃなくても勢い殺したり急所外したりする方法が知りたい』
ボクおじ「分かった。グローブ付けてこい、俺が相手してやるよ」
『あーい』
今の時刻は15時21分。
喫茶店で半間やお客さん達と駄弁ってたら15時なりそうだったから切り上げた。
三田さんにサンパチみてもらって問題無かったからいつも通り愛機に乗ってやって来たのはボクシングクラブ。
小学生からおっちゃんと同じ位の歳の人達が集まってる。
1番多いのは30代だな。女性は居ない。
ちなみにおっちゃんは34歳。オレからしたらおっちゃんだからね。
おっちゃんもウチの常連さんで「男なら強い方がいい」って事で誘われて高校からやり始めた。
4月から始めて2週間に一度の頻度で通ってるからまだ5.6回しか通ってない。
『準備できたー』
ボクおじ「まずはストレッチからな。そっから────」
━━━━━━━━━━
パシッ
『今の良い感じした』
ボクおじ「悪くはねーけど鈴ならもっと上手くやれんだろ。よく見ろ、正確に狙って防げ」
『オレ素人だからな?やるだけやってみるけどさ』
ボクおじ「次上手く出来たら終わりだからな〜。いくぞ」
『ん』
パンッ!!
ボクおじ「上出来。やっぱお前才能あるな」
『才能あろーがなかろーがプロ目指してる訳じゃねーし、これはただの趣味だよ』
ボクおじ「ホント勿体ねぇ。お前の意志を尊重すっけどそん時は相談しろよ?」
『気が変わったらな。んじゃ、お疲れ様』
ボクおじ「おー、気ィ付けて帰れよ」
『ん〜』
約3時間。休憩はさみながらやってもやっぱ疲れた。
集中してやると体力もいつもの喧嘩の倍くらいもってかれる。
考えながら身体動かすのって難しーな。喧嘩の時はやりたい放題で特になんも考えてない。
『ねみ〜、、はよ帰ろ』
ブォンブォン、ブォォオオオ
守りの方法教わったし今度ワザと攻撃受けて試そ。
人を殴ったりするのが楽しいとは思わねーけど自分の思い通りに相手が動いた時の爽快感が好きだ。
こうしたらそうするんだろうなっていう予想するの楽しい。
要は喧嘩なんて所詮"遊び"って事だ。
楽しめればそれで良い。誰かと一緒ならもっと楽しいんだろうけど。
『やっぱ気ままが一番だよなぁ』ボソ
▼
263人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翡翠 | 作成日時:2021年8月6日 10時