5話 ページ6
−鈴side−
『半間サン』
半間「なんでしょーネコサン」
『雑魚過ぎてつまんねぇ』
半間「同感だワ〜もうこの辺じゃ腕の立つ奴いねーな」
『半間タイマンはろーぜ』
半間「え、ヤダ♡」
『オマエいっつも断るよな。何で?』
半間「ネコちゃんはそういうんじゃねーじゃん」
『意味分かんな』
半間に案内されたのは廃ビル。年上っぽい奴らが三十人くらい居た。
皆タバコ吸ってんのか匂いがこもって最悪だった。
だから、金属バット奪って窓全割りした。換気って大切。
喧嘩に得物は使わねーからバット放り投げて喧嘩開始。
色んな技練習できてハッピー。額とか顎とか切れた奴はすまんな。バンソーコーでも貼れば治るさ。
一番可哀想なのは現在進行形で歯を折られてる奴だけど。
『楽しい?ソレ』
半間「ネコちゃんもやる?ペンチ貸したげよっか?」
『いい、やんねぇ』
半間「じゃあ折ったやつあげるな♡」
『いらねーよ』
他人の歯を欲しがる奴がどこにいんだよ。いらねーわ汚ぇ。タバコ吸ってるやつのなら尚更な。
歯折ってる時の半間楽しそうなんだよな。サイコパスかな。
ヒョロヒョロなのに何で喧嘩強いんだろ。手の甲の刺青については一生の疑問だわ。教えてくんねーし。
あ、昼のチャイム鳴ってる。
今の時間帯客多いだろーな。とーちゃんの手伝いしに行こーかな。
半間も連れてってオレの試作品でも食わせよ。
その前に血を落とさねーと。店ん中に汚ぇモン入れたくねぇ。
『半間、帰ろーぜ。飯作ってやっから』
半間「マジ?やりぃ〜」
『血ぃ洗い落としてからな』
半間「あー、、だりぃな。公園行くかぁ」
『歯は捨てて来い』
半間「え、ホントにいらねぇ?」
『いらねぇ』
半間「ザンネーン」
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ジャーッ
バシャバシャ
『なぁ、半間ってチームとか入んねーの?』
半間「誰かの下に付くとかヤに決まってんだろ〜?おもしれー奴なら別だけど」
『ふーん』
半間「ネコちゃんは?」
『興味持てた奴なら』
半間「お、じゃあどっかチーム入る時はネコちゃんも誘うな〜」
『言いなりになるつもりはねーぞ』
半間「分かってんよ♡」
喧嘩までは許してくれても暴走族のチームに入んのは多分怒る。
とーちゃん怒ったら怖いからな。
チームに入っても駒になる気はさらさら無い。面白そうならやるだけ。
まぁ、興味持てる奴が現れるとは思わねーけど。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年8月6日 10時