3話 ページ4
−鈴side−
朝の8時半。店の前の椅子に座ってボーッとする。
学校行かない日は大抵こうしてる。
知り合いが通れば声をかけるしお客さんならご案内。
モーニングがあるから朝早くから開店する。朝7時から9時まで、11時半から17時までが営業時間。
ランチとおやつの時間の為の時間。
喫茶店だから当然酒は出ない。だから夜の営業はない。
昼間から酒飲むような奴はろくな奴じゃないってオネーサン達も言ってたな。
未成年喫煙、飲酒、無免許運転。
法で裁かれる事が平然と行われている時代だ。
実際オレ無免許だし。いつかはちゃんと取りたいけど合宿とか費用とかもう少し余裕が出来てからだな。
高校はちゃんと卒業しねーと。金がかさむ。
出席日数は計算してる。早退は含まれねぇのが助かるとこだな。まぁ、6時間目しかサボってないけど。
成績も問題ねぇし留年は有り得ねーな。
「やっほー、ネコちゃん」
『あ、久々の死神クンだ。何の用?』
半間「ネコちゃんが暇してんじゃねぇかなって思って遊びきたぜ♡」
『ちょーど今日は半間んとこ行こーと思ってたわ』
半間「お?久々に暴れちゃう?」
『試してぇ事あんだよ』
半間「ばはっ♡いい顔してんね〜」
『案内宜しく』
半間「おー、ちゃんと付いて来いよ〜」
"ネコちゃん"
何で半間がオレの事をそう呼ぶのかっつーとな。
何か知らん間に"歌舞伎町の招き猫"とかいう意味分からん異名?愛称?を付けられてたから。
店の事悪く言う奴とか害悪な客を路地裏に引きずり込んでぶん殴ってたせいらしい。
"歌舞伎町の"って付いてるから半間とお揃いみたいだよな。なんも知らねぇ奴から見たら不良と優等生だけどな。
髪染めてないしピアスも開けてないし刺青も入れてない。サボりはするけど成績優秀。ほら、優等生(?)。
逆に半間は何か前髪ら辺だけ染めてるしミミズみたいなの左耳にぶら下げてるし両手の甲に「罪」と「罰」の刺青入れてるし。THE☆不良。
ドンッ
「ってぇなあ!!どこ見て歩いてんだコラ!!」
『うるせ』
半間「カモ発見〜」
「!!"歌舞伎町の死神"、、!?」
「おい、ヤベーぞ!!半間と一緒って事は隣の奴"招き猫"だ!!」
『ちょーどいーや。おいで〜』
グイッ
「ぐぇっ!ま"っ、!!」
半間「他の奴も逃がさねぇかんな〜」
ズルズル
ドサッ!
『街中は目立つから路地裏な。退屈させんなよ、一方的な喧嘩は好きじゃねぇ』
▼
263人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翡翠 | 作成日時:2021年8月6日 10時