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20話 ページ21

−鈴side−


金髪でボロボロで弱そうな男。特服着てねーけど東卍の奴か?


何か探してんのかキョロキョロ喧嘩せずに動き回ってる。


気になるな、何が目的だ?





『あ、刺した』





弱々君に気を取られてたけどドラケンの事もちゃんと見てたからな。


スゲーよな。抗争に紛れ込めば自分よりも格上の相手にも勝てちゃうんだぜ。


卑怯?


卑怯でもズルでも何でもいーんだよ。


人間は自分が良けりゃそれでいーんだから。オレには関係ねーし。


さて、こっからどーなるかな。


まだ誰も気付いてない。


ドラケンは倒れて血が滲んで来たな。


抗争の怒号やら殴る音やら、雨の音も手伝って倒れた音が掻き消された。


それに、抗争中なら誰が倒れててもおかしくねぇ。


マイキーは半間とやり合ってる。互角、と言うよりは半間が押されてっけど。


あ、弱々君。


待て待て待て。何でアイツ一直線にドラケンの所行ってんの?


あー、キヨマサとすれ違った時に気付いたのか。





花垣「ドラケン君が、刺された!!」



『割と早期発見。こんなんじゃ死なねーよなぁ』



佐野「どけっ!!通せバカ!!」



グイッ



佐野「!」


半間「マイキー、見ーっけ!!」


佐野「半間!!」


「タケミっち!!!ケンチンを頼む!!!」





半間がマイキーの足止め。どんくらい持つかな。ま、ある程度は稼げんだろ。


オレはドラケンを見届けねーと。


弱々君がドラケンどっかに運ぼーとしてるし。


よくおんぶ出来てんな。案外力持ち?


弱々君っての改名すっか〜。


あ、追いかけねーと。



━━━━━━━━━━



あれ、女の子二人もいる。誰?


つーか、前から来てんのキヨマサ達じゃん。





「あれあれぇ!?死んでねーじゃん!!ドラケンちゃん!!」


「おぇーい!!なんでザコミチいんのぉ!?」


「カスが何余計な事してくれちゃってんだ?」





うるせ〜〜〜


テメェらが上手くやってりゃこんな事なってねーんだよなぁ。


何で凶器をすぐ隠さなかったんだオマエはよ。抗争中だからって油断してんじゃねーぞカス。


稀咲の計画崩れたのオマエにも非があんだからな。楽しみが延びたからいーけど。


でも、ちょーどいいや。


見られるなら人は少ない方がいい。女の子達はドラケンと弱々君が逃がすだろーし。


フード被って、大きめのマスクをつける。ほとんど顔隠れててウケるな。


声はどうにもできねーけど、喋り方変えればいーや。



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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年8月6日 10時

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