22話 ページ41
サンタ見習いの少年「ふぅ、なんとかプレゼントを配り終わった。本当に助かったよ!」
少女「……ふふ。どういたしまして」
サンタ見習いの少年「おっと。そろそろ夜が明けちゃうな。それじゃあ、僕は帰るよ!じゃあね!」
少女「あ…。そんなに急いで帰らなくたっていいのに……そういえば、わたしはプレゼントもらえてないや。もう…!でも……ありがとう、か…その言葉が、1番嬉しかったな」
A(…寧々…)
寧々はステージの真ん中で静かに息を吸うと気持ちよさそうに歌い始めた。
少女「〜〜〜♪」
寧々の歌声に私は目を丸くした。練習で聞いていたよりも遥かに綺麗で引き込まれる。そんな歌声だった。
櫻子「…っ!!」
寧々(…不思議。歌が自然と出てくる感じた気持ちが全部歌になって、どんどん溢れていくみたい。歌うのって─こんなに楽しかったんだ)
A『(…寧々…すごい、すごいよ…!寧々の歌は櫻子さんにも劣ってない…私の大好きな歌だよ…!)』
私は寧々を見つめながら微笑んだ。その頬になにか冷たい物があたる。
A『…え?これって……』
えむ「よーし!雪を降らせちゃうぞ〜☆………あれ?」
類「これは…!」
空から静かになにかが落ちてきている。
寧々(…あれ?これって…もしかして、本物の雪?)
観客「あの子が歌ったら雪が降ってきた……!」
観客達もそれぞれ声をあげながら雪を喜んでいる。
寧々「(…綺麗…!まるで本当に、空からプレゼントが届いたみたい……)
舞台袖でえむちゃんがすご〜い!と声をあげた。
えむ「Aちゃん、これどうなってるの?もしかして類くんがなにかしたの?」
えむちゃんは目をきらきらさせながら空を見上げている。
類「いいや、僕はなにもしていないよ」
類「だからこれは──ただの奇跡さ」
A『そうだね…少女と見習いサンタのおこした奇跡なんだよ─』
私達は降ってくる雪に目を輝かせながら空を見上げていた。
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年1月13日 18時