０舎看守【ナンバカ】 (ページ48)

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番外編　ある日のバレンタイン前半ページ48

百子「ついに、…ついに出来た！」

《これで今年こそは双六一に渡して見せるぞ！》

『あ、できたんですね～』

百子「あぁ、君のおかげで助かった。…それにしても,バレンタインは女性が男性に日頃の感謝を込めてチョコを渡すものだと聞いたのだが…君も誰に渡すのか？」

『あ、はい！俺は友チョコってことで作ってるんで。それに囚人共だけチョコ貰えないってのは可哀想ですし』

百子「…ふむ、相変わらず優しいのだな」

『い、いえ！そんなことは！』
〈あはは、と苦笑いして〉

百子「それじゃあ君には今渡しておこう。いつも真面目に職務に励み、私を支えてくれていること感謝する」
〈そう言ってチョコを渡し〉

『！ありがとうございます！看守長！』

《やった！看守長からのチョコだ！》

『あ、俺からもどうぞ。日頃俺たちを支えてくれてありがとうございます』
〈笑顔でチョコを渡して〉

百子「！あ、あぁ」
〈それを受け取り〉
《なぜ今胸が高鳴ったのだ》

『では、俺は他の奴らにも渡してきますね』
〈一礼したあと歩いて行き〉

百子「あぁ」

《Aは男だが、…どこか親近感が湧くな》

『…おっ、ちょうど集まってるじゃん』
〈中央休憩所に行き〉

キジ「あら、Aじゃない？」

猿門「その手に持ってるもんはなんだ？」

『チョコだチョコ。野郎どもにくれてやろうと思ってな。日頃の感謝だ』
〈それぞれ本人分と看守分と囚人分のチョコが入った袋を渡して〉

四桜「貴様、女子か」

『っざけんな！友チョコとして作ってやったんだよ！てか犬士郎お前そんなギャグ言う性格じゃないだろ』

キジ「友チョコ？…アンタのその顔で言われたら勘違いしちゃうわよ」

猿門「なー」

『テメェら覚えとけよくそ』
〈殴りたい衝動をおさえ,そのまま13舎に向かい〉

ハジメ「……」

『ぁ、いたいた。おーいハジメー』

ハジメ「あ”？？なんでテメェがここにいやがるんだ」

『なんだよそんな不機嫌なんなって、せっかくチョコ作ってきたんだからな』
〈ほい、とチョコの入った袋を渡して〉

ハジメ「はあ？チョコ？？なんでだよ」

『お前、今日バレンタインだろ。友チョコ作ってやったんだよ、ちょんと食えよ』

ハジメ「そういやそんなものあったな。しょうがねぇ食ってやるよ」

　

『くそうぜぇ、ちゃんと皆に渡しとけよ』
〈頭に怒りマークをうかべながら自分の舎に戻って〉
《後は海翔たちだけか》