０舎看守【ナンバカ】 (ページ36)

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第サンジュウヨン話ページ36

猫「あーあ、やっぱり図星かぁ～。先輩ってば意外にメンタル弱いんだなぁ」

ｺﾞﾝｯ

『…さっきから聞いてりゃ愚痴ばっか。いい加減にしろよ。現場に居なかったオマエが好き勝手いうな。』

キジ「Aの言うとおりよ。アンタは自分より上になったアイツが気に入らないだけでしょ。
人の努力を認めないで捻くれて…それに、
人の家族を好き勝手に言うアンタの方が最低じゃないかしら」

ハジメ「………」

《めっちゃ気まずい！》

『…俺、自分の舎に戻るわ』

キジ「ええ」

『…お前、次猿門のこと悪くいうようならただじゃおかないからな』
〈無表情で猫をみたあと0舎にむかい〉

ガチャ

海翔「ぁ、おかえりなさい。主任」

『あぁ、ただいま』

海翔「今、お茶をいれますね」

『いや海翔、それより0番の資料持ってきてくれないか？？』

海翔「0番の、…分かりました。すぐとってきますね」
〈小さく頷き資料を取りに行き〉

『ああ、頼む』

《囚人番号0番。新年大会以降姿を見ていない
1人で逃げたのか…？いや、…まずどうやってここの囚人として入ってきたんだ？？
アイツの資料は一度だけ見たことがある。

だが、わざわざここに囚人としてきた理由はなんだ、あの傷の男と何か関係が…？
脱獄することが不可能なここ南波から一瞬で消えやがった。

もしアイツがいう傷の男の仲間だとして
これまでの芸当がアイツ“だけ”のものでは無かったら……仲間が何かしらの“力”を持ってるとしたら。

15番や634番の力も納得がいく》

『つまり、…』

バンッ

海翔「主任！！大変です！」

『！どうした？？』

海翔「僕たちが保管していた囚人番号0番の資料もデータも一切残っていません！！」

『！なに！？』

海翔「何者かが、0番のデータだけ抜き取った…のでしょうか」

『………！…なるほどな。それをやった犯人は0番自身かそいつの仲間か……。
だが、俺たちに見つからずに彼処まで行けるはずが無い』

海翔「…となると、僕たち看守に変装した…または裏切り者がいるということでしょうか」

『あぁ、…恐らくな』

《看守長が居ない今、ここを任されている俺がしっかりしないとな》

『…海翔、鈴野にも伝えてくれ。怪しい奴がいたら即捕縛して連れてこいってな』

海翔「分かりました！」
〈小さく一礼した後看守室を出て〉

『……！もし看守にも変装できるなら、“囚人”にも…できるんじゃないか？』