記憶と曖昧 ページ20
転んだ私に手を伸ばすアンク
それを掴んだ私
なんで私は
この手を知ってるの？
"記憶をなくす前の私がアンクと手を繋いでいた"
そう考えても別におかしくはなくて
ただそこに
何か、別の感情があるように思えて複雑な気分でいっぱいだ
その手を、ただぎゅっと握りしめることすらできない
A「ありがと」
アンク「あぁ」
するっと手が離れていく
A「…ぁ」
アンク「なんだ？」
もう一回 そんなの言えない
A「何でもないよwばーか」
アンク「馬鹿だと？？」
A「嘘嘘w」
この瞬間を大切にしたい
のに
止められない…
よしこうしよう、もし私がいまからアンクって呼んで…
アンクが振り向いて、ん？って言ったら
言おう
A「…アンクｯ！！」
アンク「ん？」
軽く振り向いた君
って嘘でしょ!?
A「…私…、アンクと手を繋いだことがある気がする。もっと前に。」
アンク「？！記憶が…戻ったのか…？」
A「残念ながらそうじゃないんだけど、でもすごくこの手を知っている気がした…」
アンク「そうか」
A「もう一回繋いでほしい」
アンク「ん、わかった。手ｪ貸せ」
A「ありがとう」
ちょっと顔を赤く染めて私に手を差しのべて
私はその手を取った
両手で…大切に握りしめた
何だか…頭が痛い…
A「あー、ごめんごめん、うっかりって奴だから」
アンク「そのどこがうっかりだふざけんな」
A「ナイスツッコミ、アンク！」
アンク「馬鹿にしてんじゃねぇぞ」
A「してないよ」
何…？これ
私、こんな会話してない
アンク「おい！大丈夫か！？」
A「…っ」
アンク「A！！！」
はっ
A「……私がっ…今からいう言葉…私の口から聞いたことあったら返事して…」
アンク「？あぁ」
何なのか知りたい
A「ナイスツッコミ、アンク…」
アンク「…！ある」
やっぱり
これは記憶なんだ
アンク「どうしたんだよ。いきなり…」
心配そうな顔をしてこっちを見る
A「さっき…記憶が見えた」
アンク「なんだと」
A「少しだけ…だけど。」
アンク「……よかった…」
A「え？」
アンク「よかった……本当に……」
泣いてる…？
A「泣かないでよ…」
アンク「うるせぇ。嬉しいんだよ。お前の記憶が少しでも戻ってくれて…」ずび
私よりも嬉しそうにして
泣いてくれるアンクを、
私はどう思っているの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
uyumi - あ！？やっとみつけてくれたぁ！！ごめんなさいまた、あそこ行ってたから…返事まっとるよ！！ (2018年8月25日 16時) (
レス) id: 4743d0b2fd (このIDを非表示/違反報告)
れー - 最高です！いい話でした！ (2017年12月12日 17時) (レス) id: fcb4901dde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや | 作成日時：2017年8月29日 23時
