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紫Side


土曜日。

緊張しながら康二を誘ってみたけど、
どうやら康二も喜んでくれたみたいで。

たくさんいる俺たちのファンである女子たちに
混ざっている康二が体育館の片隅に見えた。


「あ、康二来てんじゃん。康二〜!ちっ。お前らじゃねぇよ…」

「…」


そんな康二に気付いた翔太が名前を呼んで手を振ったけど、
遠いせいで声は聞こえないし自分に振られたと勘違いした女子たちが
キャーキャー騒ぎ出したせいで翔太が舌打ちをした。

そして急に女子が騒ぎ出したもんだから
康二はびっくりして目をまんまるにしていた。


「…可愛い。」

「声漏れてんぞ」

「…」


慌てて口を押さえたけど、もちろん意味は無かった。


「今日さ、ふっかのこと活躍させなかったら怒る?」

「は?」

「いや、お前の邪魔して俺のかっこいいとこ康二に見せようかなって(笑)」

「翔太さ、俺が本気だって分かってる?…キレるよ?」

「な…。いや、冗談じゃん冗談…。悪かったよ」


からかわれてつい、
自分で思ったよりも低い声が出てしまったらしく、
翔太が肩を揺らした。


「…そんな好きなのな。」

「お前も誰かを本気で好きになったら分かるよ」

「なれるかね?」

「翔太は無理そう(笑)」

「うわ(笑)」


けらけら二人で笑い合っていると遠くの康二と目が合った。


「…っ///」


周りに女子しかいなくて恥ずかしいのか、
照れ臭そうに、でも小さく控えめに俺たちへと手を振ってくれた。


「ねぇどうしよう翔太…。康二が可愛すぎるんだけど…」

「確かにあれは可愛いな。」

「あ…。なんか話し掛けられてんじゃん。康二に気安く話し掛けんじゃねぇよ…」

「…何か嫌なこと言われてんじゃね?ちょっと泣きそうじゃん…」


俺たちが康二にだけ手を振り返したせいなのか、
周りの女子に責められているっぽい…

それを見ると無性に腹が立って仕方がなかった。


「ちょっと遊んでやったからって調子乗んなよあいつら」

「まぁまぁ。あとで慰めてやろ?今は試合に集中。ほら行くぞ」

「ん。」


怒りでどうにかなりそうだったけど、
翔太に肩を叩かれて正気に戻る。

まぁ良い。

今はただ、康二の為だけに頑張ろう。


『きゃー!ふっかー!しょうたー!』


耳障りな声も無視して、
ただ必死にボールを追う。

この試合、絶対に勝たなくちゃ。





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真夏野スピカ(プロフ) - 美音さん» コメントありがとうございます!可愛く書けているか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです(笑)更新頑張りますね♪ (2020年12月6日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - mitsuさん» コメントありがとうございます!やっとnbさんを落とせました(笑)更新頑張りますね(^^) (2020年12月6日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく拝見させて頂きます!無自覚な康二くんが本当に可愛らしい!モテモテ3b組を惚れさせてしまうとは!流石康二くんです(*^^*)この話を読んでると、もういっその事皆と付き合ってしまえ!と思ってしまいます(笑)無理せず頑張ってください! (2020年12月5日 1時) (レス) id: 9de8645e39 (このIDを非表示/違反報告)
mitsu(プロフ) - はじめまして!はじめからずっと楽しみにして拝見させて頂いています!nbさんはkj君を好きになる日がくるのだろうか・・・と思っていたのですが、ついにこの日が!笑この2人とても好きなので、続きがさらに楽しみになりました! (2020年12月5日 0時) (レス) id: 9dabb44cad (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ゆきみ島さん» コメントありがとうございます!無自覚可愛い!伝わって嬉しいです(笑)更新頑張りますね(^^) (2020年11月30日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月19日 0時

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