殺戮のマフィア【文スト】【さつてん】

奮励努力 ページ4

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『殲滅、ですか』

「そうだ」



父さんは声色を変えずに書類を漁り始めた。渡された書類に目を通すとちゃっちな組織の内部情報だった



「殲滅ってことは殺せばいいんだよな？」

『こらザック！敬語！』



軽く右肩をつついてやってもザックは"殲滅"のことしか頭にないようだった。殺人鬼だから仕方ないことなのだろうが



「そうだね。それとこれにはAくんの肩書きもかかっているのだよ」

『私の、ですか』



肩書き、今の私の肩書きといえば首領の娘。そしてアイザック・フォスターの世話係と言った所だろうか



「この仕事に成功したら、Aくんの昇進を兼ねよう」

「しょうしん？」


私よりもザックが反応した。ザックにとって聞きなれない単語のせいだろうか。平仮名に聞こえる

そんなザックに思わず父さんも笑を零した



「昇進すれば部下が増えるのはもちろん、そして給料アップも約束しよう」

『よしザック、今回の仕事本気でやろう』


給料アップ、なんて素晴らしい響きなのだろう。一気にやる気に満ち溢れた私を見てザックはちょっと引いていた





話が纏まったところで、レイチェルとエリス嬢が仲睦まじく隣の部屋から出てきた



「おいレイ、行くぞ」

ザックが鎌を持ち上げて、レイチェルを呼ぶ。私は書類を凝視しながら、お金まみれの自分を想像していた


「分かった。エリス、じゃあね」

「また遊びましょ！」



ヒラヒラと手を振る2人を見て、父さんは何とも愛おしそうな目をしていた


守備範囲は12歳以下と言いながらレイチェルにメロメロなのは突っ込まないでおく



『失礼しました』

「良い報告を期待しているよ」



ドアを閉める直前、父さんの貼り付けたような笑顔と目が合った




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