性別の壁なんてぶっ壊せ

締章 ページ29

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「ウィッグ、もう付けないの？」

『付けません。あれは黒歴史です…』



晴れて、太宰幹部のお隣をゲットした私


最初からこんな遠回りをせずに、この格好のままアプローチすれば良かった



でももしかしたら、それでは今の結末にならなかったのかもしれない



「ウィッグ、私の家に置きっぱなしだけどね」

『なくしたと思ってました…。というかなくなって欲しかった……』

「その格好、私が見る分には良いんだけど他の男に目に付くと思うと少し癪だよね」



何気ないマフィアへの行き道を2人で手を繋ぎながら歩く。太宰幹部はいつも唐突に突拍子もなく甘い台詞を吐くから困る



『別に誰の目にも付きませんよ』

「もしものため。ほら、目瞑りなよ」



朝っぱらからこんな事をして、本当にいいと思っているのだろうか。だが、目を瞑り受け入れるあたり、私も満更ではない



「あ、織田作だ」

『織田作…今の見て……』

「……俺は何も見てないぞ」

『見てたって言ってるのと一緒だよ！何その間！』



私が思う性別の壁なんて、ぶっ壊す前から無かった。恋は盲目、まさにその通りである





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