fourth story ページ5
列車の2人席へ座ったところで、Aがアレンに向かってﾊﾟﾝｯと両手を合わせ
貴｢さて、初対面の君には申し訳ないんだけど、任務先へ着くまであまり目は使いたくないんだ。
悪いけど、今回の資料を読み聞かせてくれないかな？｣
と小声で言った
ア｢え？あ、あぁ……はい。それは良いですけど…。
その、やっぱりイノセンスのせいで、普段から目疲れとかしたりするんでしょうか？｣
アレンが思わずそう尋ねると
貴｢あー…いや、イノセンスを発動しない限り目は疲れないんだけどね…。
気疲れをするんだよ、日常で目を使うと｣
とAは溜め息混じりに答えた
ア｢気疲れ………ですか？｣
小首を傾げるアレン
貴｢うん。…色々やっかいな点があるの。私のイノセンスは｣
Aは、後で話すよ。と言うと、先にアレンに書類を読むよう促した
冊子をめくると、びっしりと並ぶ文字と1枚の写真
写真は真っ白いグランドピアノだった
ア｢今回の任務先はオーストリアの中心部。
………その街の1番大きなホテルで毎日、夜になるとロビーに置いてあるピアノが勝手に鳴り出す…………、らしいですね｣
貴｢…なんだかロマンチックな現象ね｣
腕組みをしてそう答えるAに対し、アレンも、ですね。と相槌を打つ
ア｢で、……………この現象、話に聞くともう何年も鳴っているそうなんです。綺麗な演奏だから、ホテルの人も、ピアノが自動で動いてるというのを売りにしているそうで……。
それを聞きたくて来るお客さんもいるのだとか｣
そう言うと、Aは組んでいた手で顔を覆った
貴｢うーん…、街の人が関係してるのか…。その上そのイノセンスを必要としてる…………。
ちょっと厄介だなぁ…人間が絡んでる事例は…｣
ア｢……？どうしてです？｣
貴｢そこの人達が、イノセンスに対して愛着というか…情を持っちゃうとね、イノセンス回収が困難になる事があるの。
何でかって言うと、最悪、アクマよりも人間が、私達を邪魔してくるケースがあるから。安らぎを与えてくれる物とか、自分にとって利益のあるものなら特にね｣
Aは右手で前髪をかき上げ、心底面倒臭そうな声を出した
アレンは、マテールでのことを思い出し、胸が少し締め付けられる感覚がした
続く
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カエデ(プロフ) - 名無しさん» ありがとう！案の定かなりしんどいけど頑張る！！ (2018年3月7日 7時) (
レス) id: 0ae18246ff (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 新作おめでとうカエデ！！掛け持ち頑張れ！p(^_^)q (2018年2月18日 18時) (レス) id: 2983157a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カエデ | 作成日時：2018年2月12日 22時
