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最終電車。


終点の駅。


ほとんど人の残らないこの場所。


私は、電車の座席から立ち上がり、小さめのバックを一つ持ち、車両から降りようとした。


実際、1度外に出たが、同じ車両に乗っていた見知らぬ人の事が気になって、また車両に戻った。


その人物に近づいてみると、やはり……


「寝て…る?」




すぅ……すぅ…


と静かな寝息を立てて眠っている彼は、とてもお疲れのようだった。


起こそうと手を伸ばす。


が、はたと

車掌さんが起こしてくれるんじゃないか

という考えが浮かび、手を引く。





























いや、やっぱり起こそう。


彼が車掌さんに起こされたとして、

もし、ここがどこなのか分からなかったら…

もし、行く宛がなかったら…


そんなもやもやを抱いたまま過ごすくらいなら、彼を起こすなんてお易いもんだ。


「あの、すみません!起きて下さい!…起きて下さい!!」


見知らぬ人に触れるのは少し抵抗があったが、肩を揺すってみた。


?「ん、っ……?」


彼は、重たそうにゆっくりと瞼を開けた。


?「……ん?」


まだ、理解が追いつかないような、そんな表情。


「あの、ここ終点何ですけど、大丈夫ですか?」


私は、そっと混乱させないように話す。


彼は何秒間かぼーっとしたまま、急にハッとしたように目を見開いた。


?「あ、すみません!起こしてくれたんですね。えっと…」


ここが何駅か分かりますか?


と聞かれ、私は○○駅ですよ、と応える。


?「○○駅……。あ、ありがとうございました!なんとお礼を言ったらいいか…。」


彼の様子を見ていると、多分私の感は外れていなかったと思えた。


「いえ、気にしないで下さい。お疲れの様でしたから、もしかしたら乗り過ごしたんじゃないかと思って…。」


彼は少し笑って、


?「お恥ずかしながら…。」


と、言った。


その時…


??「あのー。申し訳ございませんが、そろそろこの駅を出ますので…。」


という声を聞いて、車掌さんが見回りに来たことに気づく。


「あ、すみません!すぐに出ますね。」


彼が座席から立ったのを確認して、私達は車両を降りた。

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Sky(プロフ) - hさん» 初コメありがとうございます!嬉しいです!これからも頑張りますので、よろしくお願いします!!本当にありがとうございました! (2018年4月6日 20時) (レス) id: 4b7fd3f8d2 (このIDを非表示/違反報告)
h - 初コメです凄く楽しかったですこれからも頑張ってください楽しみにしています (2018年4月6日 18時) (レス) id: 8a1cd5ab5f (このIDを非表示/違反報告)
Sky(プロフ) - りささん» 返信、遅くなってすみません!はじめまして。読んでいただき、ありがとうございます!!りささんの小説も是非、読ませてもらいたいです! (2017年11月13日 5時) (レス) id: 4b7fd3f8d2 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 初めまして!小説読ませてもらいました!うちも占ツクではないのですが、趣味で小説やっているのでよかったら読んでもらいたいです! (2017年11月4日 16時) (レス) id: f38897df08 (このIDを非表示/違反報告)
Sky(プロフ) - 灯月さん» はじめまして。コメントありがとうございます!とても嬉しい気持ちでいっぱいです!本当に私の力になります…!更新頑張りますね! (2017年11月3日 19時) (レス) id: 4b7fd3f8d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sky | 作成日時:2017年8月26日 23時

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