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隣のAくんはさっきから色んな人に連絡先を聞かれており、それにあっさりと応えてしまっている。結構連絡先すぐに交換する人なんだ、という事実に胸がちくりと痛む。俺だけが特別ではないと分かってはいたが、事実を目の当たりにすると迫るものがある。
しかも今俺とは反対側の隣にいるのは匂わせや共演者キラーとして有名な女優さんだ。Aくんと話している顔をちらりと見てみると、その目は完全に獲物を狙うものだった。Aくん狙われてるよ！と言うことも出来ず俺はただ曖昧に笑うだけだった。
「私、渡辺さんとも仲良くなりたいなー！」
「え、俺ですか？」
今まではAくんにべったりだったのに急に俺に矛先が向けられる。こいつ誰でもいいのかよと思いながら急に呼ばれた名前に対して驚いたように返す。いや、もうやめてくれよと辟易していると肩に腕が回されてAくんの方に引き寄せられた。
「今日の翔太くんは僕のなので無理でーす！」
「えー！ 水無瀬さんずるいー！」
Aくんの方に寄りかかりながら、二人がじゃれたように冗談を言い合うのを見る。これは庇ってくれたのだろうか。取り敢えず俺も何か言わなければと「Aくんのなので無理です！」と冗談ぽく返す。それで今日はいけそうにないと察したのか女優さんは別の席へ移った。
女優さんが去ってからも俺の方にAくんの腕は回されたままで、どうしようかと少しだけ酔いのまわった頭で考える。Aくんの密着した体からはいい匂いがする。香水だろうか、よく分からないがそれは俺の鼓動を乱した。
「翔太くん、ここ、抜け出しませんか？」
どうしようかと思いながら何も出来ていなかった俺の耳にAくんが囁く。驚いて彼の目を見る。甘く弓なりに細められたそれは静かに俺の返答を待っていた。拒否する理由が寸分もない俺は小さく頷く。それを確認するや否やAくんは席を立ち俺たち明日早いのでお先に失礼します、今日はありがとうございましたと言って俺の背中を押しながら退席する。もちろん俺にも挨拶の機会を与えてくれた。
店を出てAくんにエスコートされながら歩く。行先は友人の経営するBARらしい。個室もあるのでゆっくり飲みたいときに利用するのだと教えてくれた。すぐ近くだったらしく他愛ない会話をしているとすぐに目的地に到着した。先に連絡を入れていたらしく、すぐに奥の個室へと案内された。
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蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (
レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 楽しく拝見させていただいております。大変だと思いますが頑張ってください。応援しております。 (2022年7月1日 16時) (レス) id: 761c21ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりま | 作成日時：2022年6月27日 21時
