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ネイリスト役の情報が解禁になったということで、今までは俺の足の爪にしかしていなかったネイルを手の爪にしてもいいかと聞かれて二つ返事で引き受ける。
ずっと俺の手の爪にしたいと思っていたということは、足爪へのネイルは情報解禁前で仕方なかったとはいえかなり我慢していたのだろう。嬉しそうに俺の手を握ってはしゃぐAに自然を笑みがこぼれた。
「なんで手の方にしたかったの？」
「手だと他の人から見えるでしょ？ 大介くんは爪先まで僕のものだって言ってるのと同じかなと思って」
「……」
「あ、引いちゃった？」
Aの直球な言葉に顔に熱が集まるのを自覚した俺は俯いて隠す。それを引いたと勘違いしたAに顔を覗き込まれてあっさりとばれてしまい、「かわいい」と何度も言われからかわれた。反論しようとするとAのキスで口を塞がれ言葉を奪われてしまう。ずるい、いつもそうだ。でもそんなところも好きで仕方ない自分がいるのも事実。
丁寧にネイルケアをされた後、爪先は薄いピンクのジェルネイルカラーに染められていった。Aが選んでくれたその色は俺の肌によく馴染んだ。最後の仕上げにとクリームで軽くマッサージまでしてくれる。俺の爪先はぷっくりとしたジェルが乗せられており、光が描く曲線の美しさがAの努力の軌跡を教えてくれた。
昨晩Aによって染められた爪を見ながら意識を横にいるめめに戻す。俺が今までネイルをしていたイメージがないので不思議に思っているのだろう。めめは顔に不思議です、とはっきり書いたような表情をしていた。
「これね、Aにしてもらった」
「え、Aさんこんな器用なことも出来んの？」
やば、と言いながらまじまじと見てくるので、俺も誇らしくなってドヤ顔で顔の横に手を広げて見せびらかしてやる。Aの手によって淡い桃色に彩られた十指は、蛍光灯に照らされながらつやつやと光っている。
「これしょっぴーにバレたらうるさいかもね」
「あー、分かる。おま、今までネイルとかしてたっけ！？みたいな？」
美容番長のリアクションを想像して二人でけらけら笑い合う。今日の撮影は翔太と一緒ではなかったのでバレないで済んだけど次にスケジュールが被った時には確実に指摘されるだろう。おそらく想像通りのリアクションをしてくれるはずなのでその時は今日と同じようにドヤ顔で自慢してやろう。
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蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (
レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 楽しく拝見させていただいております。大変だと思いますが頑張ってください。応援しております。 (2022年7月1日 16時) (レス) id: 761c21ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりま | 作成日時：2022年6月27日 21時
