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動揺を必死に抑えながら、どうして連絡先を聞こうと思ったのか質問してみる。 Aさん曰く、この前の音楽番組の本番中に熱心に見ている人がいるなあと思っていたらしく、気になったAさんが後でスタッフへ確認したらそれが俺だったというわけだ。
あの日必死でAさんを見つめていた俺、ありがとう。おかげで今Aさんとお話できてる。めっちゃ見てくるあいつ誰ってかんじで引かれなくて本当に良かった。
電話中いつものようにAさんと呼んでしまって急いで水無瀬さんに直すと、Aさんから名前で呼んでくださいと言ってくれた。今しかないと思い、俺は勇気を振り絞る。人見知りなんて言ってられない。
「あの、俺のことも名前で大丈夫です」
「ほんとですか? じゃあ……北斗くんで」
ほ く と く ん 。俺の名前はこんなに特別な響きを持っていただろうか。いやない。Aさんが呼ぶからこそ特別な響きに感じられるのだ。
ではまた連絡します、と次が感じ取れる言葉でAさんとの通話は終わり、京本のもとへとスマホが戻る。俺たちは一言二言会話を交わして通話は切れた。さっきのことが夢じゃなければ俺の連絡先はAさんのスマホへ登録されるのだ。
緊張が解けて脱力した俺はソファに沈み込む。『素敵すぎて 信じられない』。ジャスミンはそう歌った。本当にそうだ。Aさんが素敵すぎて信じられない。
魔法の絨毯がなくても近付くことができるなんて、ちょっとメルヘンすぎだろうか。
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蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮兎(プロフ) - 初めまして。最近この作品に出会い、楽しく拝見させていただいております。設定から文章から何もかも好みドンピシャでこんなに好きな作品はなかなか出会えないと思うほどです。本当に大好きです、大変だとは思いますが頑張ってください。応援しています (2022年8月18日 12時) (レス) id: 44f5e6cee6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 楽しく拝見させていただいております。大変だと思いますが頑張ってください。応援しております。 (2022年7月1日 16時) (レス) id: 761c21ee7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりま | 作成日時:2022年6月27日 21時