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初恋は実らないらしい ページ10

備前「ねぇ主さん。今日の手合わせ、不動くん
としたいんだけど駄目かな?」

備前の言葉に動きが止まる。
振り返ると真剣な顔をした備前がいた。

「……分かった。不動にも言っておく。」

備前「ありがとう。」

備前が部屋を出ていくのを確認して
審神者は長谷部を呼んだ。

「何かあったら止めてほしい。」

長谷部「分かりました。」

お辞儀をして道場へ向かう長谷部。
盛大なため息をつくと机に突っ伏した。

(備前…何を企んでんのさ。)







その頃、備前は道場に入り不動を待っていた。

不動「どういうつもりだ。」

声が響く。視線を向けると苛立たしげに
睨む不動がいた。

不動「俺としては好都合だけどな。」

備前「不動くん。」

備前が何かを投げた。不動は両手でキャッチ
すると眉を寄せて舌打ちした。

不動「なんでテメェが俺(刀)を持ってんだよ。」

備前「そんな事より始めようよ。」

くるり。三つ編みが回る。白い裾が風を造る。
懐かしい光景に胸が高鳴る。

備前「念願の仇討ちを。」

全身に稲妻が走った。

不動は走り出していた。その言葉を聞き終わる
より速く。
なんの躊躇いもなく鞘を抜き備前を押し倒すと喉元目掛けて振りおろした。

グサッ!

不動「……馬鹿か。」

振り下ろした刀は床に深々と突き刺さった。

不動「俺はな、見え透いた挑発にのるほど
落ちぶれちゃいねぇんだよ。」

吐き捨てるように言うと刀を抜き鞘に収める。
備前は倒れたまま動かない。
そのまま何も言わずに不動は出ていった。

備前「あーあ。失敗かぁ。」

一人。備前の乾いた笑い声が響いた。









不動「…長谷部。見てたんだろ。」

長谷部「気付いていたか。」

不動「バレバレなんだっての。」

長谷部「……絶好の機会逃していいのか?」

不動「…あいつなぁ俺が振りかざした時、
『ごめんね』って呟いたんだよ。
今にも泣きそうな顔で。」

長谷部「…そうか。」

不動「不本意だけど躊躇っちまった。
やっぱり俺は仇も打てないダメ刀だな。」

自身の刀を懐に入れ甘酒をあおる。
今だけは長谷部も何も言わなかった。

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ロト(プロフ) - たぬきねこさん» ありがとうございます!ダラダラとですが更新頑張っていきます! (2018年3月10日 16時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
たぬきねこ - グルメ番組かよで不覚にも笑った頑張って下さい! (2018年3月10日 16時) (レス) id: a2c5151ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - ニガウリさん» ありがとうございます!ゆるゆる更新頑張っていきたいと思います。 (2018年2月11日 10時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
ニガウリ(プロフ) - 私も、明智さん好きだから、この作品大好きです!!更新頑張って下さい(*ゝω・*)ノ (2018年2月11日 10時) (レス) id: da81750a6d (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - 黒狐コハクさん» 読んで下さっただけでなくコメントまで…ありがとうございます! (2018年1月9日 19時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロト | 作成日時:2017年12月25日 13時

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