今剣と歴史 ページ44
今剣「びぜんはれきしをかえたくはありませんか。」
備前「え?」
今剣と畑当番中の備前は目をパチクリさせた。
大きく赤い目がかごに入れたトマトに似ている。
今剣「ぼくはかえたい。よしつねこうが
すこしでもながいきできるのなら。」
備前「…何かあったの?」
備前の優しい声色に表情が曇る。
その様子を見て柔らかく微笑んだ。
備前「ごめん。何でもないよ。そうだなぁ、
私は変えたくないかな。」
今剣「それはわるいことだからですか。」
備前「それもあるけど…主さんが嫌と思う事は
したくない。そうでしょ?」
今剣「わかってます!でも…。」
今剣が俯く。次の言葉を備前は黙って待つ。
遠くで笑い声が聞こえた。
今剣「そこにかれがいるのに…。」
今剣の声は震えていた。備前はそっと
今剣の頭を抱き寄せる。
備前「この前、本能寺の変を見てきたんだ。
今剣と同じ。何も出来ないのが辛かった。
悲しくて苦しくてもどかしくて涙が出た。」
今剣「びぜん…。」
備前「その後不動くんに怒られちゃった。
俺は隣にいるだろって。…ねぇ今剣。
義経さんを想って泣く事を我慢しないで。
…見られるのが嫌なら私が隠してあげる。」
今剣「うっ。」
ボロボロと赤い目から滴が溢れる。
備前は今剣の頭を撫でた。
備前「よしよし。よく頑張ったね。」
今剣「ぼ、ぼくよしつねこうに、」
備前「会わなかったんだね。」
今剣「びぜ、うわああぁ!」
今剣が大声で泣く。
今剣の顔を隠すように腕の中へ抱き寄せると
備前の腕に力強くしがみついた。
備前「歴史を変えないでくれてありがとう。」
今剣の涙で濡れるのも構わずに
天を仰いだ。
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ロト(プロフ) - たぬきねこさん» ありがとうございます!ダラダラとですが更新頑張っていきます! (2018年3月10日 16時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
たぬきねこ - グルメ番組かよで不覚にも笑った頑張って下さい! (2018年3月10日 16時) (レス) id: a2c5151ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - ニガウリさん» ありがとうございます!ゆるゆる更新頑張っていきたいと思います。 (2018年2月11日 10時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
ニガウリ(プロフ) - 私も、明智さん好きだから、この作品大好きです!!更新頑張って下さい(*ゝω・*)ノ (2018年2月11日 10時) (レス) id: da81750a6d (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - 黒狐コハクさん» 読んで下さっただけでなくコメントまで…ありがとうございます! (2018年1月9日 19時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2017年12月25日 13時