裏切りの刀

節分 ページ34

前田「今年はどなたが鬼役なのでしょうね。」

愛染「どんな相手でもコテンパンにしてやるぜ！」

恒例行事、節分。当本丸では短刀達が
鬼役に豆を投げることになっている。
ワクワクの興奮で待ちきれないという
短刀達に審神者が少し苦い顔で告げた。

「えーっと…鬼の登場です。どうぞ。」

備前「ガオー！！悪い子はいねがー！」

審神者の合図に合わせて小さな角をつけた
備前が元気よく登場する。

「今年の鬼は近景です。さぁ皆、じゃんじゃん
豆ぶつけちゃってー！」

「「「「「「嫌(です/だ)。」」」」」」

「ですよね〜。」

一気にテンションダウンする短刀達に
審神者はため息をついた。

備前「えぇ！？なんで？ほら、
『鬼は外』しなきゃ！」

秋田「備前さんは鬼じゃありません。」

備前「で、でも豆をこう…私にぶつけ」

後藤「無理だろ。」

五虎退「そんな酷いこと備前さんに
出来ません…。」

備前「えぇー。」

ガックシと項垂れる備前。
備前がやる気満々で鬼役に挙手した時
こうなる事は予想してた。

備前「うー、折角 ツノ作ったのに…。」

乱「手作りなの？やーん可愛い！」

(違うことで盛り上がり始めているが
まぁいいとしよう。)

髭切「ありゃ？今日は節分だっけ。」

なんとか場が収まりかけたその時
膝丸と髭切が通りがかった。

備前「あ！髭切、膝丸。そうだよ。
私が鬼なんだ。ガオー！」

めげずに鬼のポーズ(らしい)をとる。
備前を見つめたまま静止する髭切。

膝丸「兄者？」

備前「髭切…うひゃあ！？？」

突然、備前を俵担ぎして何処かへ行こうとする
髭切を慌てて膝丸が止めた。

膝丸「な、何してるんだ！兄者！！」

髭切「うん？こんな可愛い鬼を野放しには
しておけないからねぇ。」

備前「えぇっ！鬼退治されちゃう！？
誰か助けてー！殺されるー。」

小夜「…その手を離しなよ。」

備前「小夜！助けて！私 退治されちゃう！」

今剣「おいたがすぎますよ。」

膝丸「あ、兄者！！」

髭切「ありゃ？」

短刀達の目つきが変わる。
突然の鬼退治(誘拐未遂)によって今年の鬼は
髭切と膝丸になった。




備前「あーびっくりした！」

「膝丸…南無さん。」

膝丸「俺は何もやってないぞー！！！？」

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