裏切りの刀

どこにいるの ページ20

厚「備前ーーーー！！」

今剣「どこですか。びぜーん！」

刀剣男子達による備前捜索が始まった。
本丸中に備前を呼ぶ声が響く。

「私のせいだ。私が」

不動「いや…俺のせいだ。」

宗三「不動。」

不動「仇ばかりに血が上ってあいつの気持ち、
何も考えちゃいなかった。俺が悪いんだ。」

「そんなこと!」

歌仙「…明智光秀が何故 織田信長を裏切った
のかを知っているかい？」

突然の歌仙の問いに審神者、不動だけでなく
その場にいた宗三達も目をぱちくりとさせた。

歌仙「一説によると明智は織田信長に
ある場所を攻めるように言われていた。だが
その場所には明智の友人が住んでおり
苦渋の結果、明智は友人を守る為裏切った。」

歌仙「だから光秀と同じ死に方と近景が
言ったのは不動を友人と認めて発した言葉だと
僕はそう思うのだけれど。」

それだけ言って歌仙は備前を探しに行った。


『初めまして。私の名は明智近景。』

『…不動行光だ。』

『わぁい！友達１号だ！宜しくね不動くん。』


不動「友達、か。あいつ今でも俺のことを
友達だと思ってくれてたのか。」

いつかの記憶が蘇る。
懐かしさに浸りそうになる頭を左右に振った。

不動「よし！俺も謝る。」

「へ？」

不動「…なんだよ。」

「珍しく不動が謝るなんて言うから。」

不動「…別になんとなくだ。」

薬研「そうだな。仲直りするには謝るのが
１番ってな！」

不動「なっ仲直りしてぇなんて言ってねぇ!」

騒がしくなる広間に審神者も笑みを浮かべた。
一部始終を見ていた宗三はハァと息をついた。

宗三「似たもの同士ですね。」

江雪「…備前さんと不動さんが、ですか？」

宗三「ええ。似ているからこそ反発しあい
すれ違うのかもしれませんね。」

石切丸「そんな事言ってる場合じゃない
かもしれないよ。」

石切丸の言葉に二人は眉をひそめる。

江雪「…どういう事ですか？」

石切丸は真剣な眼差しで審神者達を
みつめながら重い口調で言った。

石切丸「何か、禍々しい気が漂い始めている。
それと同時に備前の気配が薄れていってる。」

宗三「え。」

石切丸「…備前が危ない。」

石切丸の目には焦りが満ちていた。









備前「……今、そっちに逝くね。」

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