本音はどこだ？２ ページ18
長谷部「落ち着け！」
なりふり構わず備前に襲いかかろうとする
宗三を備前は冷静にみつめていた。
宗三「そうやって不動の気持ちを弄んで
利用して…僕は貴女を許さない！」
興奮する宗三の着物が乱れ胸の刻印が現れる。
備前はそれをみつけると布団から這い出て
息がかかる程の距離まで近寄った。
宗三「なにを」
不意に備前が刻印を指でなぞる。
備前「これ、織田さんから貰ったんでしょ。
いいなぁ。ハッキリクッキリ綺麗なままで。
…籠の鳥だっけ？よく卑下して言ってるけど
それだけ丁重に扱われてきたんでしょ。
愛されてたってことなんでしょ。」
刻印をなぞりながら続ける。
備前「それに比べて私は？光秀(主)を
逆賊呼ばわりされてガラシャは守れなくて
銘(絆)を消されロクな扱いはされなかった！」
なぞる指に力がこもる。ギリリ。いつの間にか
備前の瞳には怒りの灯りが灯っていた。
備前「そりゃ死にたくもなるでしょ！
なんで光秀のこと知らない奴に反逆者だと
非難されなきゃいけないの！？」
備前「お願いだから…。」
備前の目に光が消える。
ぐにゃり。自嘲じみた笑いが浮ぶ。
備前「早く楽になりたいの。もう皆のとこに
逝かせてよ。」
長谷部「お前…。」
かたん。襖が開く音。
反射的に一斉が振り返る。
「今の話、本当なの…？」
薬研「大将。」
「歌仙、最後まで心配してたよ。小夜なんて
検非違使に復讐しに行った。他にも皆…皆が
備前のこと心配してるのに。」
審神者の唇がわなわなと震える。
瞳には涙が溜まり今にも零れ落ちそうだ。
「ねぇ備前」
備前「なに言ってるの？君、何か勘違い
してない？」
「えっ？」
ゆっくり、備前が審神者に近寄る。
しゃがむと審神者の目線に合わせて言った。
備前「勝手に仲間扱いしてるけどさ、
私は皆のことなんてどうでもいいんだよ？
この際だから言っちゃうけど主さんのことも
認めてないから。」
「え。」
備前「まさか慕ってくれてるとでも思った？
残念だけどこれっぽっちも信じてないよ。」
「備前？何言ってるの。嘘、だよね？」
絶望した顔で必死に備前にしがみつく審神者。
仮面の笑顔でそれを振り払う。
備前「まだ嘘だと思ってるの？お人好しは
騙されやすいってね。そんな人間も大好きだよ
…なんてね。」
備前「私、人間だいっきらいなの。」
冷たい声でそう告げると備前は去っていった。
長谷部「主！」
審神者は力なく崩れ落ちた。
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ロト(プロフ) - たぬきねこさん» ありがとうございます！ダラダラとですが更新頑張っていきます！ (2018年3月10日 16時) (
レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
たぬきねこ - グルメ番組かよで不覚にも笑った頑張って下さい！ (2018年3月10日 16時) (レス) id: a2c5151ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - ニガウリさん» ありがとうございます！ゆるゆる更新頑張っていきたいと思います。 (2018年2月11日 10時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
ニガウリ(プロフ) - 私も、明智さん好きだから、この作品大好きです!!更新頑張って下さい(*ゝω・*)ノ (2018年2月11日 10時) (レス) id: da81750a6d (このIDを非表示/違反報告)
ロト(プロフ) - 黒狐コハクさん» 読んで下さっただけでなくコメントまで…ありがとうございます！ (2018年1月9日 19時) (レス) id: b951fa5b4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロト | 作成日時：2017年12月25日 13時
