恋色。《青》 (ページ6)

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｢あー！Aにわざとぶつかった男！！！｣

レッスン場に入るとすぐ

雫ってば叫ぶから周りの視線が痛い…。

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お願い、やめて。そんな私の願いは…

『ちょ、雫いいってば…！』

雫｢いや、謝るまで言い続けるから！｣

やっぱ通じなくて。

完全に雫を敵に回してしまった翔太君。

こうなると雫、止まんないんだよね…

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岩｢翔太よくないよ｣

向｢女の子に何でそんなことするん？｣

宮｢ちゃんと謝りな｣

仲間からも攻められちゃう翔太君。

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渡｢あのさ、友達なんだよ。そういうノリあんじゃん｣

『……(そういうノリ…)』

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ホントにわざとだったんだ、翔太君。

どうして？

普通仲良くないとしないよね？

振られてから話すことなかったのに…

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いきなりそんな距離縮めてくるの？

ずるい…

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渡｢そういうことだから。｣

翔太可愛いなぁ、なんて次はいじられる翔太君。

雫｢ちょ、何それ！｣

雫はまだ納得いかないみたいで…

むしろ嬉しかったから、

怒んなくていいんだよ雫？

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渡｢A、痛かった？｣

『あ、ううん…全然』

結局優しい翔太君は、心配して

目の前に来てくれた。

普段意地悪だけど、たまに見せる優しさが

大好き。

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渡｢なんか…お詫びに奢るよ｣

『へ？』

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翔太君はいきなり、何を言うのか。

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渡｢コイツうるさいからさ｣

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雫を指差して挑発する翔太君。

案の定、雫はイラつく。

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渡｢そしたら許してくれる？｣

『え、』

許すも何も…

でも、翔太君と少しでも居れるなら…

『うん、それなら許す！』

そう言うと、鼻で笑われた。

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渡｢じゃあ今日早めに終わるし、待ってて｣

…え？

『きょ、今日っ！？』

い、いきなり過ぎる翔太君…

渡｢部活忙しいし、

今日ぐらいしか時間ないかも。(嘘だけど)｣

『あ、そっか…』

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今日しか、ないんだ…

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『うん、待ってる！』

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また後で、と去る翔太君。

嬉しすぎて、

周りの視線なんか気にならなかった。

だってもう、

私の瞳には…

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翔太君しか映らないよ。