ヘタレくん . (ページ31)

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麗「最近どうしたの？」

『なにがー？』

数学の計算式をつらつらと書く私の顔を見てくる麗亜。

麗「いや、妙に勉強頑張ってるなあって」

『 …受験近いから、かな』

確かに受験は7～8ヶ月後に控えてる。だけど本当の理由はそうじゃなくて、あの日から心にぽっかりと穴が空いたような感覚がする。ずっと一緒だったせいか柴田と居ない生活に慣れない。極度に接近してこないし、会話も登下校でしかしない。昼食も一緒に食べなくなった。

麗「なんかあったら言いなよ。勉強の相談には乗れないけどさ」

恥ずかしいのか頭を搔く麗亜。

『ありがとう笑』

お手洗い行ってくる、と立ち上がった麗亜と入れ替わりでりょうくんが来た。

り「聞いたよ、しばゆー彼女出来たんだってね」

『らしいね』

凄い冷たい声が出て自分でも驚く。

『ごめん、なんか私最近おかしくて』

り「今日、タイム測るんだよね」

急いで弁解を始める私の声を遮って突然意味の分からないことを言う。

り「部活見に来てよ」

り「じゃあマネージャーに話通しとくからよろしくね～」

私の理解が追いつく前にさっさと行ってしまうりょうくん。陸上部の見学、？私が？多くの疑問が私の頭に飛び交ったが、生憎今日は予定が無いのでりょうくんの言う通り行くことにした。

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