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『 もう遅いし帰った方がいいよ。』
「 心配だから送る 」
『 でも、』
「 でもじゃねえの！」
私の手を掴んで電車に乗る。
「 あ、悪い。痛かった？」
『 当たってないし大丈夫だよ 』
私の腕を気にしてパッと手を離す。
さっきのことを思い出して手が震える。
『 ごめん、としみつが嫌とかじゃなくてね… 』
「 うん、分かってる。」
「 柴田の家、俺も行くわ。心配だし。」
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「 あらAちゃん遅い時間なのにありがとね〜！」
恒例のハグが始まる。としみつを先に柴田の部屋に行かせて、少しの間柴田のお母さんと話した。
柴田の家に入った途端柴田の匂いに包まれて少し震えがおさまった。
二階に上がると柴田ととしみつが話していた。
『 なーに話してんの！笑 』
病人の柴田に辛気臭い顔見せられないし笑顔を作る。のど飴とかを柴田に渡す。
『 体調大丈夫なの？』
柴「 熱も下がったしもう大丈夫。」
と「 じゃあ俺行くわ。」
柴「 おう 」
『 としみつありがとう、』
と「 ん、」
後でLINEでもお礼を言おう。
柴田にプリントやノートのコピーを渡す。
『 じゃあ私も帰るね、』
柴「 待って、」
立ち上がろうとしていたのをやめて振り向くと柴田の顔が目の前にあって、また前を向いてしまう。すると後ろから抱き締められた。
『 え、っ…？しばた、、？』
柴「 今日お見舞いくるって言ったから待ってたのに遅いし超心配した。」
『 ごめ…ん、』
柴「 それなのにとしみつとくるし、ナンパされてたって…。」
柴「 香水の匂い凄いし超ムカつく、…」
より強く抱き締めてくる柴田。
柴「 泣いてたのバレバレなのに無理して笑うしさぁ…、俺のことも頼ってよ、」
『 うん、 』
柴田からこんなことされるなんて初めてで、顔が凄く熱い。いつもより少し枯れてる声で言うからなんか、…。
何も喋れなくて柴田の腕がどんどん離れてく。
『 また明日ね、』
あまりの顔の赤さで振り向けなかった。
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作者名：*ふらん* | 作成日時：2021年3月29日 2時
