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その夜────

直虎様は外に出たいと仰せになった。己は危険だと言ったものの手を引いてくる。胸にズキンっとくる。。。我は刀を身につけ直虎様に付いた

付いたのは近くの少し上の山にある井伊の町がいちめんにみえる景色だった

直之)何時頃こんな場所を。

直虎)幼かった虎松の頃のような時のにな。当時城主だった父上と約束した場所じゃ。

直之)約束とは?

直虎)跡継ぎじゃ。その約束がこうして繋げることが出来た。我はの。。之の字にしか出来ないことを今ここで言う。これは約束じゃ。

直之)えぇ。

直虎)其方は虎松の重臣となって欲しい。

直之)な、何故。

直虎)虎松に付く重臣は其方と六佐じゃ。理由は。。。井伊家にとって虎松は居なくてはならない存在じゃ!其方は自分の主を守るのが上手い。我がこうして生きているのは其方が助けてくれたお陰じゃ。それなら、虎松だって同じ。血を流し帰らぬ人になっては井伊はそれこそ潰れる。いや、消える。其方にしか無い幸運じゃ。

直之)井伊家の為になるなら己はそうします。しかし某は。まだ言いたいことがある。

直虎様はこちらを向いた。あの時の殿より髪が伸び美しい大人となった直虎様に鼓動がうごいた

直之)己は其方と夫婦となりたい。

直虎)夫婦?

直之)井伊家を守る為、虎松殿の重臣となるのはいいでしょう。しかし、ずっと其方の隣にいたのは己である。ここで離すなどごめんじゃ。其方は我の最初の主じゃ。その主が女子では守らなければならないと思うにございます!

前にいるのは殿じゃない。井伊家の上の姫様。虎松殿の養母。養母では無いが姫様じゃ。それでも。

直虎)こんな我でもいいのか?...

直之)直虎様の我儘は何回聞いたと?...其方より先にいきませんよ。

直虎様は涙を流した。我は微笑んで直虎様の頬を手で擦り唇を落とした

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作者名:ひな林 | 作成日時:2017年9月19日 19時

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