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大河ドラマ初回放送日の反響は思ったよりも良かった事に俺は安心した。
役者仲間は勿論、親戚や俺の両親、そして勿論Aもこれから楽しみだねって言ってくれた。
こうやって周りの反響を感じるともっと頑張ろうとお芝居に対し情熱が湧き、自分を鼓舞する要素となる俺にとってはかなり重要な事だった。
A「亮君〜‼︎始まったよ‼︎」
リビングのソファーに璃子を抱き抱えたまま座っているA。
今日から俺が出る回が放送されるみたいで内心ドキドキしていた。
吉沢「あ〜緊張する〜」
A「そんなに?笑」
吉沢「うん笑」
正直なところ不安だった。
応援してくれてはいるけれど、Aはどんな表情で観るんだろう…
俳優業もしてる同業者としてきっとそれなりの目線で見てくれてると思う。
そんな事を頭の中で考えながらテレビに目を向けていると
璃子「パ…パ…」
A「‼︎」
吉沢「‼︎」
1番に反応を示したのは娘の璃子だった。
璃子はもうすぐ一歳になる。
最近は「ママ」や「パパ」等2文字の言葉をたまに話すようになり、日々成長してるんだとAと実感していた。
そんな時にテレビに映る俺に気づき「パパ」って呼んでくれるなんて…そりゃ親バカ増します‼︎
もっともっと溺愛します‼︎
と、俺の気持ちの良さは最高潮に達し
吉沢「そうそう、パパですよ〜」
と、璃子を高く抱き上げ抱きしめた。
そんな俺達に
A「璃子すごいね‼︎パパが分かったね〜」
と、横から話しかけてきたAの目には涙が溜まっていて、そんな姿に俺の目頭も熱くなったのだった。
それからドラマの鑑賞が終わると、Aは来週が気になる様子で
A「亮君お願い‼︎すこーしだけ教えて?ね?いいでしょ〜?」
と、あらすじのネタバレを急かしてきた。
吉沢「絶対言わない‼︎来週までお預けです‼︎」
と、Aの言葉をかわしながら寝室へ向かったが、Aの様子は落ち着く様子が無い。
吉沢「そんなに楽しみにしてくれて嬉しい。ありがとう」
とお礼を伝えると
A「あと一年撮影が大変だけど頑張ってね?璃子と必ず毎週観るね?」
そう笑顔で答えてくれた。
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作者名:AI | 作成日時:2023年7月7日 13時