吉沢亮に愛されて-3- (ページ31)

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匠海君に言われて私は会場の端で舞台挨拶の様子を見る事にした。

ファンの方達にバレたらどうしようと不安だったが、マスクや帽子を被れば案外バレないもんなんだな〜と思いながらステージに目を向ける。

みんなが登壇してからは会場の熱気が一気に上がり、あっという間に時間が過ぎていった。

そして最後の匠海君の挨拶。

こんな時に最後の挨拶をどんな風にするのかなと思いながら聞いていると、匠海君は報道の件にふれ始めた。

私は匠海君の口から出てくる言葉一つ一つに我慢していた気持ちや思いがどんどん溢れてきて、気づけば涙が頬を流れている。

また、会場の皆さんの温かい拍手の音に心が少しだけ軽くなった気がして私は顔を上げる事が出来なかった。

すると

北村「Aちゃん‼︎こっちにおいでよ‼︎」

と、急に呼ばれる私。

え？？

うそ…聞いてない…‼︎

　

そう焦りながら隣にいるちーちゃんに救いを求めるが、行ってらっしゃいという顔をして私の涙を拭いながらメイクを直される。

その姿に行かなきゃ‼︎と決心を固め皆んなのいるステージに向けて一歩一歩歩みを進めた。

ステージに登壇すると匠海君と亮君の間に案内された。

北村「自己紹介からお願いします」

その一言でマイクどうしようと思っていると隣からサッとマイクを渡してくれたのは亮君。

A「橘ヒナ役の内田Aです。色々とお騒がせしてしまい申し訳ございません。今日は急遽この様な時間を頂きありがとうございます」

北村「やっとこれで全員揃ったね」

山田「みんなAちゃんがヒナでよかったよね？」

その言葉の後に続く拍手は先程よりも大きかくて温かくて、今の私の胸に刺さるものがあった。

御礼を言おうとしたけれど涙で声が震えて言えず、私は登壇中にも関わらず後ろを向いて溢れてくる涙を必死に我慢した。

あ〜全然涙止まんない…

今日の私はダメだな…

と思いながら後ろを向いたままティッシュで涙を拭っていると、亮君が一緒に後ろを向いてくれて私の持っていたマイクを奪った。

吉沢「今日の拍手No. 1じゃね？」

北村「それは間違いない。俺達前座だったのかな?笑」

吉沢「匠海はずっと悩んでて…この話をするかとかみんなで登壇するかとか…。歳下なのに俺よりしっかり考えてて、その時間は辛かったと思うけどこうして少しでも良い方向にカタチとなって良かったなと思います」

山田「この拍手と歓声が答えじゃね？」

北村「フゥ〜ドラケンの台詞ね」

吉沢「うまいな笑」