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亮君と電話をして2日が経った。
あれから璃子の風邪も私の風邪もだいぶ良くなり体は元気になったものの、璃子の情緒不安定なのはまだ続いててパパに会いたくて泣く日が続いていた。
璃子「うぇぇぇぇん…パパ…」
そう泣き叫ぶ璃子に私はただ抱きしめてあげることしか出来ず、自分の無力さを痛感した。
A「ごめんね…?パパじゃなくてごめん璃子…」
と、言葉にした時には私の目からも涙が溢れていて、
A「亮君…」
無意識に大好きな人の名前を口にしていたのだった。
するとその時
ガチャ…
いきなり玄関の扉が開く音がした。
えっ…誰…?
私は咄嗟に璃子を抱き抱え身構えた。
私と亮君お互いにこういう仕事をしているせいか、セキュリティーに関しては徹底した場所に住んでいるがそれでも過激なファンの人もいて住居侵入は経験済みだ。
そんな事もあって、また知らない人が来たのかと構えていると
吉沢「A‼︎璃子‼︎」
私達の目の前に現れたのはずっと会いたかった人だった。
A「亮君…」
璃子「パパ〜パパ〜‼︎」
亮君は私達の元に来てくれてそのまま抱きしめてくれた。
吉沢「ごめん、遅くなった。」
A「どうして…ここに…?」
そう話す私の目からは涙が止まらずどんどん溢れてきて、それを見た亮君は
吉沢「飛んで帰ってくるって約束しただろ?色々A一人に任せてごめんな」
と、私の涙を拭ってくれた。
その言葉に更に涙が溢れてきそうなのをグッと堪え亮君に目を向けた。
吉沢「A…急だけど璃子と一緒に中国へ来てくれないか?」
A「えっ…?」
吉沢「夕方の飛行機には乗らないといけないけれど、飛行機も宿泊先のホテルも俺と同じ部屋で確保してる。仕事中は璃子の子守り出来ないけれど、終わったら会えるしその方が璃子も泣かなくてすむかなって…。俺の仕事の都合で振り回して申し訳ないって思ってる。でも、俺2人を置いては戻れないんだ。頼む」
そう真剣な眼差しで説得する亮君に、私の返事は一つしかなくて
A「そう言ってくれてありがとう。お願いします」
と、深々と頭を下げた。
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作者名:AI | 作成日時:2023年7月7日 13時