【CY】満月 (ページ6)

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猫ちゃんの目ページ6

目が覚めても隣は温かった。

彼だったらこうはいかないから、
なんだか不思議な朝で、確かな人肌が慣れない。

「A？」
『…ミンソガ、おはよ。』
「うん、おはよう。」

愛しい様な目つきで私に微笑む。
でもその視線は私だけのものじゃない。

きっと朝方電話していたあの女性とも、
何かしら関係を持っているんだろう。
私も大勢の女の1人ってところだ。

「ごめんな。」
『なんで？』
「うーん、あいつと同じことしちゃったから？」

あいつとはきっとパク・チャンヨルのこと。
‘‘同じこと,,ってミンソクの中では
唱えられているんだろうけど、違うよ。

彼は冷たくて、ただ行為をしに来てるだけ。
ミンソクは一時でも愛してくれる。

「俺別にAとセフレとかなんとか
そういうお友達になりたい訳じゃないからな。」
『流れって怖いでしょ。』
「…そういう意味じゃない。」
『何よ。』

ベッドライトの下に置かれた煙草の箱。
確かに玄関はそれらしい匂いがしたけど、
ミンソクって煙草吸うんだ…知らなかった。

よそ見していた私の頬は呆気なく掴まれて、
大きな猫ちゃんの目と焦点が合う。

「俺は、ちゃんとAが好きだよ。」
『そういうのはいいから。』
「流さないでよ。」

『だって…。』
「順番が違うから信じられない？」
『うん。』
「じゃあもう一回言うけど、好きだから。」

それはどの好きなの？
友達として、異性として、同僚として。
好きには色んな種類があるよ、ミンソク。

珈琲が飲みたい、とリビングに消えたミンソク。
私は後ろ姿をボーッと見ているだけ。

『ミンソクの馬鹿。』

Aも飲む？とドアから顔を出すミンソク。
寝起きだからか幼い笑顔に、
私の胸は甲斐性もなくドキドキと高鳴る。

『ありがと。』
「砂糖2つで良かったよな？」
『…うん。』

当たり前の様に砂糖を入れるのを見て、
以外と私のこと知ってるんだなぁって。

チャニョルだったらブラックのまま出しそうだ。
そもそも彼の場合こんな気遣いはないか。
なんて、気づいたら2人を比べていた。

…私が1番馬鹿らしい。