【CY】満月 (ページ5)

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罪を重ねるページ5

…ひとつふたつ。
また駄目な行為が重なる。

私を見る目も触る指も何もかもが
彼とは違うけど、それがまた少し私を高揚させる。
熱っぽい空気は嫌いじゃない。

『みんっ…そがぁ。』
「今名前呼ぶのは、分かってるねぇ。」
『んっ！はぁはぁ…あっあぁ。』

ミンソク家のベッドは柔らかくて大きい。
ここで何人の女が寝たかは知らないし、
知りたくもないけど今は優越感で浸っていれる。

ああ、とことん駄目な女に成り下がって…。
もう元には戻れそうにないなぁ。

「俺とあいつ、どっちが好き？」
『…ん、わかっんないよぉ。』
「ふふっ、じゃあ分からせてあげる。」

キム・ミンソクは罪な男だ。
知れば知るほど堕ちていってしまう。

ミンソクが顔を歪ますたびに、
彼の綺麗な顔が頭によぎって嫌になる。

「ごめんね、A。」

これじゃまるで彼の代わりにミンソクを…。

「おやすみ…ってもう寝たか。」
『…。』
「俺はちゃんとお前が好きだよ。」

ふかふかの掛け布団に包まれて息を潜める。
ミンソクの呟きは知らないフリをして。

prrrr . prrrr . prrrr

携帯の着信音が鳴り響く。
私のとは音が違うから、きっとミンソクの。

「もしもし？」

やっぱりそうだったみたい。
ミンソクの声と、携帯から微かに聞こえる女の声。

「うん…あぁ、明日？いいよ…待ってるね。」

ミンソクにしては掠れた甘い声が気持ち悪い。
…さっきまでそれは私に向けてだったのに。

‘‘もう遅いでしょ？,,
‘‘全部、初めから分かって始めたくせに。,,
‘‘今更全部俺のせいにするの？,,

チャニョルの声が聞こえた気がした。