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「さあ、着いたよ、姫様。お手を」
さっきまでのんびり座っていたはずの隼さんが笑顔で手を差し伸べていた。
「え、あの、」
「姫様?僕じゃ不満かな」
「っ、違います」
隼さんにじっと見つめられると心が見透かされそうで怖い。
だから急いで隼さんの手を取り、車から降りた。
「ショッピングモール…?買い物ですか?」
「そうだね」
隼さんが自動ドアを通ろうとしたらビーッ!とセンサーが作動した。
その様子を見て陽にぃはため息をついた。
「はぁ…さっさと買って帰ろうぜ」
「悪いな…陽と夜はAちゃんを連れて先に行ってくれ」
「わかりました」
隼さんと海さんはその場に残り私たちは別の入口から中に入った。
「隼さん何かしたんですか?」
「何もしてない」
「じゃあ何故センサーが?」
「…普段の行いが悪いからだ」
夜さんが陽にぃを小突く。
「陽、嘘教えないの」
「いや、嘘ではないだろ」
「…まぁ、うん。あのね隼さんは機械に嫌われる体質なんだよ」
機械に嫌われるって…何者なんだ、本当に。
それにしても今日は休日で人が多いのに誰1人としてアイドル2人に反応しない。
「陽にぃ人気ないの?」
「はぁ!?んなわけねぇだろ」
「だってこの前夜さんと歩いてた時は…」
「あ、もしかしたら隼さんのおまじないのおかげかも」
おまじない?
隼さんって人間なの?大丈夫なの?同じ人種?
「隼の話はここらへんで。Aの頭がショート寸前だ」
「そうだね。隼さんのことは少し変な人って思っていればいいよ」
「夜さんも手厳しい」
え?と首を傾げるあたり天然なのだろうか。
しばらくすると隼さんと海さんも合流した。
波乱万丈な1日が始まろうとしていることを私は知る由もなかった。
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作者名:塩キャラメル(□‐□)なのだよ | 作成日時:2016年9月1日 22時