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(夜君と隼様の通話の様子)
「隼さんからだ…どうかしたのかな」
「もしもし？夜です」
「夜かい？ちょっと困ってるんだ。助けてくれないかい？」
「何ですか？」
断るとよからぬことが起きそうだから断れないんだ。
「実はねぇ、週末、僕たちの握手会があろだろう？そのチケットをはｚ…グラビのために全員分取っておいていたんだけど…」
絶対に自分のところに始さんが来てほしいからチケット取ったんでしょう、隼さん。
言いかけてましたよ、とツッコミたいけど黙った。
そして考えた。
…全員分？全員分って言った？
「隼さん！陽のチケットはありますか！？」
「もちろんあるさ。それがどうかしたかい？」
「ください！お金は俺の財布から取っても…いや、今すぐ戻るので待っててください！」
この時から走り出していた。
ゆったりとした声が電話越しにまだ聞こえる。
「使い道がなくて困ってたんだよ。夜に電話してよかったよ」
「そうですか！今すぐ戻りますからツキノ寮から出ないでください！むしろそこから動かずに！！」
「心配性だなぁ」
「いいですか！？」
心配性というわけじゃない。
隼さんだから念を押す。
これでも俺たちのリーダー、だけれど隼さんは隼さんだ。
陽の家でAちゃんと陽のお母さんを待たせているから時間はかけたくない。
「隼さん、近くのコンビニわかります！？」
「ああ、そこのハーゲンダッツは美味だね。最近は抹茶に興味がわいているよ」
「ハーゲンダッツ買ってあげますから来てください！」
「動くなって言ったり来いって言ったり、全くだねぇ？もういるのだけれど」
「思いっきり動いてたんじゃないですか！！」
そこでようやくコンビニに着いた。
立っていた隼さんの手にはハーゲンダッツの入った袋。
きっとすごく食べたくなったけど海さんも郁も居なかったから自分で来た、ってとこだろう。
今はとりあえずどうでもい。
「隼さん、チケットを…」
「はい、どうぞ」
「５枚…」
「それには魔力を込めておいたからね」
「…そ、そうですか。では俺すごく急いでるので失礼します」
「ああ、あまり遅くならずに帰ってくるんだよ」
「わかりました！」
急いでこのことを伝えなければ…。
俺はそのことしか頭に残っておらず、隼さんにおごると約束したハーゲンダッツのことをすっかり忘れていた。
「僕のハーゲンダッツ…まぁ自分で買ったからいいかな」
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作者名：塩キャラメル（□‐□）なのだよ | 作成日時：2016年9月1日 22時
