【 HQ】Happy Birthday. My honey.← (ページ14)

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Happy Birthday ページ14

｢でも英が移植するって言った時はびっくりした｣

｢柊ちゃんよく耐えたと思うよ｣

｢あああ…はずい。消えそう｣

｢英が泣くからもう私罪悪感しかなくて…あはは｣

｢俺がA無しで生きていけるとでも思ってた？｣

｢思わないよ。私も英が同じ状態だったら生きていられない。だから私はこのサプライズにした｣

バレー部の皆頷いてるけど何で？
Aのお母さんもニコニコしている。
意味がわからない…。

｢今日は英が生まれた日。

隣に居た人が急に居なくなった時、どうしようもなく辛いの。

だから、隣に居る人が生まれてきてくれたから今の自分が居る。

もうわかるよね？

私は英が居るからこそ、生きていられるの。

英、生まれてきてくれてありがとう、私の隣に居てくれてありがとう！｣

｢A…俺、絶対に離れないし離さないから。だから一生隣にいてください｣

｢英くんなら任せられるわ。苗字、貰っちゃいなさい｣

｢英の誕生日なのに私が貰ってどうするの！｣

賑やかな病室には明るい笑い声が響いていた。
その帰り、久しぶりに家にAが来る。
すごく懐かしく感じる二人で歩く道。
ふと、Aが口を開いた。

｢英、私から誕生日プレゼント、まだあげてないんだよね｣

｢盛大なサプライズがプレゼントじゃないの？｣

｢あれは皆で祝おうってことだったから…。ちょっとしゃがんで？｣

｢え、うん｣

言われた通り少し縮こまると口元に柔らかな感触。
まじまじとAを見ると顔を見ると暗闇でも月の明かりで照らされ、真っ赤な顔が見えた。

｢A…ファースト？｣

｢そ、そうだよ。じゃなかったらプレゼントじゃなくない？｣

｢ファーストキスは俺かぁ。だったらAの初めて全部貰うから｣

｢えっ！？｣

｢誕生日プレゼントでーす｣

ちょっとした冗談と騙された意地悪のつもりだった。

｢…い、いいよ｣

そう言われ、予想外に俺も言葉に詰まった。

｢じゃあそれは来年の誕生日に…ね｣

｢は、はい…お願いします｣

｢ふっ…あははは…っ！｣

｢ちょ、ちょっと笑わないでよ｣

気付いたら隣にいて、自然と笑えて、不思議と短く感じること時間。

俺は誰よりも幸せな誕生日を迎えた。

次はAの誕生日に仕返しと最高の誕生日をプレゼントするからｰｰｰ

覚悟しててね…？