story*26* 攻めの帝国 ページ28
「いいか、まずは俺が相手コートに攻め込む。で、ちょうどいいタイミングになったらパスを出す。…っつー訳だから、前衛。何するか分かるよな？」
「「「はい！(ああ！)」」」
「で、最後は俺にもう1回ボール回せ。パス、絶対受けてやるから」
不動くんは、時折不敵な笑みを浮かべながら作戦を伝える。思った以上に単純な作戦だな、と素直に感じた私。それが顔に出ていたのだろう。
「なに、Aチャン。意見あんの？」
いたずらな笑顔でこちらにそんな言葉を投げ掛けた不動くん。当然、みんなの視線は私へ。うっ、言えない…意外と単純な
「作戦ですね、とでも言いたげじゃん？」
「なっ」
「いいんだよ、A。俺も訊こうと思ってたところだ。…いいのか、不動。この作戦はつまり、お前の決定力にかかってる。お前がしくじれば終わりだぞ」
佐久間クンはまさに冷静沈着といった声色で、不動くんに投げ掛ける。
彼は、どう出るのだろう。誰もが固唾を呑んで不動くんの言葉を待つ。
「…俺に司令塔任せたのはキャプテン様だ。自分の胸に聞いてみろよ。俺が何の考えも無しに、こんなことするか、ってな」
不動くんは、凛とした態度でそう言い放った。それを待っていたかのように、得意気に笑って佐久間くんが立ち上がる。
「俺たちは守りを疎かにしない、バランスの取れた攻防が武器のチームだ。きっと相手も、俺たちが後半スタート直後から攻めて来るとは思っていないはずだ」
私はようやく『そうか』と納得する。豪炎寺くんが、帝国のサッカーを知らない訳がない。裏をかかなければ、この試合の勝利はないのだ。
「という訳だ。後半も気合い入れていくぞ！」
「「「「「はい！！」」」」」
頼もしい返事を受けて満足そうな佐久間くんは、堂々とコートに戻っていく。続けてみんなも。
＿＿＿＿＿私には何が出来るだろう、と考える。いや、考えてる暇なんてない。とにかく、今は。
「頑張れ！みんな！！」
みんながこちらを振り向かなくても、私の声が届いた、ってちゃんと分かる。私の決して大きくない声も、彼らの大きな背中は受け止めてくれる。
それがただただ頼もしくて…そして、眩しかった。
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しろごま(プロフ) - 神奈さん» ありがとうございます！！好きって言ってもらえて嬉しいです…めっちゃやる気出ました笑 (2022年2月16日 8時) (
レス) id: 0e001a0820 (このIDを非表示/違反報告)
神奈 - いつも好きで読ませてもらってます! これからも応援してます！ (2022年2月14日 22時) (レス) id: d32b71780d (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 愛さん» わわ！ありがとうございます…！更新サボっちゃって本当にスミマセン…絶対更新するので待ってて頂ければ…！ (2022年1月19日 1時) (レス) id: 8dce978bad (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 更新待ってます！ (2021年12月15日 23時) (レス) @page26 id: 1d59dbc1f2 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま(プロフ) - ぶんこさん» わわ！お読みいただきありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2021年8月21日 12時) (レス) id: c8158e73de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろごま | 作成日時：2021年8月19日 3時
