story*16* ロボットじゃない ページ18
「…で、なんかあったのか？」
「別に、大したことじゃないよ。全然平気。彩夏が大げさなんだよ、アハハ…」
私のことを疑り深そうに見てくる不動くん。そんな心配しなくてもいいのに、なんて思ったけど、私が叔父さんのことついても悩んでるの知ってるから、余計に心配をかけてくれるんだろう。
「あー…1年の態度？」
「え、あ。」
なんで分かったの、と言いたげな表情をして不動くんに視線を移すと、恐ろしく整った顔が、真面目な表情をしてこちらを見つめていた。
「まあ、ある程度は仕方ないんだろうな。あいつらの世代は、優秀な監督としての影山を知らない。」
「…うん、分かってるよ。1年生は叔父さんに、良くない思いを抱えてると思う。だけど…」
「…佐久間クンも言ってたけど、AチャンはAチャンなんだし、あんま叔父サンのこと気にしなくていいんじゃねえの。」
「だけど、1年生が私に抱えてる不信感は、どうやって取り除いてあげれば…」
私がそう言うと、不動くんは考え込んでしまった。せっかく相談に乗ってもらってるのに、つい突っ込みすぎてしまっただろうか。
「笑顔。」
「え、笑顔…？」
「俺が初めて見た笑顔…お前が、よろしくねって笑う顔はまあ…良かったんじゃねえの。」
「え、えっと…どういうこと？」
「はあ!?まだ言わせる気かよ…。
…だから！Aチャンには、自信のない顔より笑顔の方が似合ってるし笑顔を見ると俺らも安心できるってことだよ！」
一息でそう言い切った不動くん。
「……。」
「…おい、言わせといて照れてんじゃねぇぞバカ。」
「だってそんなこと言われたら、顔だって熱くなるよ…。」
…お互い目を合わせづらくなってしまった。
だけど確かに私、叔父さんのことを気にしすぎて、1年生に向ける顔なんて、意識してなかったかも。
「…不動くん。」
「んだよ。」
「…ありがとう！」
私はそう言って、自分が出来る精一杯の笑顔を向ける。
「……。」
「ちょっと！不動くん、そっぽ向かないでったら！」
アドバイスくれたのはそっちなのに、結局本人は目を反らして早足で行ってしまう。
でも、少し掴めたかもしれない。
「…その顔でドリンクでも渡せば、少し変わると、思います。はい。」
「なにその変な敬語。」
マネージャーはロボットじゃない。
人並みに悩むし、辛いこともあるだろう。完璧じゃない。
だけど、ロボットじゃないからこそ、できることだってある、よね？
story*17* 気持ちは明るく→←story*15* マネージャーとは
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しろごま(プロフ) - 神奈さん» ありがとうございます！！好きって言ってもらえて嬉しいです…めっちゃやる気出ました笑 (2022年2月16日 8時) (
レス) id: 0e001a0820 (このIDを非表示/違反報告)
神奈 - いつも好きで読ませてもらってます! これからも応援してます！ (2022年2月14日 22時) (レス) id: d32b71780d (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 愛さん» わわ！ありがとうございます…！更新サボっちゃって本当にスミマセン…絶対更新するので待ってて頂ければ…！ (2022年1月19日 1時) (レス) id: 8dce978bad (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 更新待ってます！ (2021年12月15日 23時) (レス) @page26 id: 1d59dbc1f2 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま(プロフ) - ぶんこさん» わわ！お読みいただきありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2021年8月21日 12時) (レス) id: c8158e73de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろごま | 作成日時：2021年8月19日 3時
