そこはかとなく。【国見英】 (ページ6)

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国見side

石野さんを追いかけた先は中庭

大きな桜の木の下のベンチに1人の小さな女の子が啜りながら泣いていた

隣に置いてあるノートと紙はくしゃくしゃ

俺は話しかける勇気もなく石野さんの隣に座り

背中を擦ることしかできなかった

女の子の背中ってこんなにも小さいものなのか

貴「国見くん…ご、ごめんね」

『なんで石野さんが謝るの？何も悪くないじゃん』

貴「私のせいでｯ…国見くんが嫌な思いしたから…」

そう言った石野さんを俺は抱きしめていた

改めて思う男女の体格差、力

守りたくなる衝動に駆られる

貴「く、国見くんｯ!!」

『俺、今まで“恋愛”っていうか異性を好きになったことないんだ。』

そう言うと驚いた顔をした石野さん

『だけど高校に入って無自覚である人を目で追ってたんだって、あ、コレは及川さん情報

男は誰しも好きな異性を目で追う癖がある、俺が目で追ってたのは

いつもみんなの為にマネージメントして、勝てるように他校を偵察して

俺の為に塩キャラメル持参してくるお馬鹿さんで

言い出したらきりが無いけど気が利く子で

誰にも優しい、そんな石野さんに俺は恋したんだ』

そう言い切ると石野さんの目からまた大粒の涙が頬を伝った

ねぇ、石野さん

期待してもいいですか？