いつか、好きになる。【フィッシャーズ】 (ページ4)

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四月。夜。ページ4

あ『んー…？』

程よい揺れと自転車のタイヤが回る音で目が覚めた。

シ「お、起きたか。」

あ『…。おはよう。』

シ「いや、今朝じゃねーし。」

見ると、あたりはもう真っ暗だった。

あの土手で私が寝てしまって、シルクが自転車を押しながら私おぶさってくれていたのだ。

あ『ごめんね。シルク。』

シ「いや、大丈夫。お前ん家まだかかるから寝ててもいいぞ。」

あ『さすがにもうねれないよ。それにしてもシルク意外と力あるんだね。ちっちゃいけど。』

シ「一言余計なんだよ。」

あ『あははー…。』

シ「変な事言ってもいい？俺、Aの事好きだ。」

あ『…え…？』

シルクが私のこと？うそ？どうしよう。

シ「ま、うそだけど。」

あ『…！？びっくりした！シルクうそうまいよね～！』

シ「そういうお前は騙されすぎ。大丈夫だって。俺たちずっと友だちだろ？」

あ『うん。そうだね。』

なんか、変な気持ち。
ずっと一緒に居たいって思っちゃう。

そういえばマサイといる時にもこんな事思ったっけ。

なんなんだ、これ。

シ「ほい、着いたぞ。」

そう言ってシルクは私を下ろしてくれた。

あ『ありがとう。また明日ね。』

私がドアに手をかけようとした時。
突然何かが私の動きを止めた。

ギュッ…。

あ『シルク…？』

シ「ごめん。もうちょっとこのまま…。寒いから。」

あ『あ、なんだ。そういうことか。』

もう四月とはいえ、夜になれば寒い。

あ『ありがと。シルク。』

私は本当の意味に気づかないまま、シルクと別れた。