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風呂上がりで濡れた髪のまま、岩本くんの所へ戻ればやっぱり起きてて。何かあったんだろうなあ、って確信が着く。
「髪濡れたまんまじゃん、」
「んー、…やってよ。」
「ふ、良いよ。おいで、」
ドライヤー片手に俺を手招きする岩本くんは笑ってて、少しだけ安心。慣れた手付きで乾かしてくれるものだから、俺の髪は10分も経たないで乾き切ってしまった。ドライヤーのコードを片付けている岩本くんを横目にスマホで時刻を確認すれば既に日を跨いで1時間が経っていた、
「ありがと、」
「どーいたしまして。」
きっと、俺がシャワーを浴びてる時にも何本か吸ったであろう煙草の匂いを纏った岩本くんが抱き着いてくる。ふと、興味本位で唇を重ねれば、やっぱり微かに苦い味がした。
「…んふ、やっぱ苦いね」
「吸ってたからね。」
優しく背中を撫でてあげれば抱き締める力が強まった感覚がした。数分続けてみればぽつり、ぽつりと何があったかを話してくれる。ストレスが溜まりに溜まった結果煙草に行き着いたんだそう、
「…、つかれた。」
ただ一言、それだけでも岩本くんが頼ってくれた様な気がして嬉しくなる俺はまだまだ子供だし、単純なのかもしれない。
「ん、お疲れ様、岩本くん。」
「今日はもう寝よう、」
「寝れるまで俺が隣で起きててあげる。」
それだけ言って少し強引に岩本くんの手を引いて寝室へ向かう。セミダブルのベッドに抱き着いたまま寝転がって、たわいも無い話をした。
「…おやすみ、ラウ」
「ん。おやすみなさい、岩本くん」
眠くなって来たのかとろん、とした瞳で俺を見詰めて最後の一言を交わせば電池が切れたかの様に眠ってしまった。
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作者名：みゅうつう | 作成日時：2023年4月1日 17時
