ウチの末っ子は手に負えない Ⅱ (ページ44)

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「はああ、可愛いなあほんと。」

「…いや可愛くないから、」

口ではそう言いながら、抵抗される事は無くて。寧ろ俺の背中に腕が回ったのに気付いて更に気持ちが溢れた。

「んーー、岩本くん眠くない？」

「待っててくれたんでしょ、寝てても良かったのに」

俺は今さっきまで仕事してたってのもあってか、全然眠くないんだけど。岩本くんは確か3.4時間前に帰って来てる筈だから、寝ててもおかしくないんだけど。

「ん、眠くないよ。」

「…ふーん、珍しいね」

サラサラな黒髪に手櫛を通せばするり、と通り抜ける指。優しく頭を撫でてあげれば下から見上げられた黒色と視線が合う、その目はやっぱり何処か疲れた様な感じで。頬に口付けを落としてあげれば、反射できゅ、と瞳が閉じられた。

「僕シャワー浴びてくるから、」

「眠くないんだったら待っててよ。」

「お話聞いてあげる、まあ眠かったら寝ててもいいけど。」

す、と密着されていた体を離せば体温が逃げてしまって少し寒い。風呂場に向かいながらリビングの電気を付ければ、その明るさに目がやられた。

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