雲外蒼天

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「ノート、これで全員？」

「何冊？」

「全部合わせて27冊」

「今日は1人休みだからそれで全部だな」

「もお、やあっと全部集まった。」




ノートくらい自分で集めて欲しいよね、しかも何人かやってなかった人いたし。




「んじゃさっさと出して早く部活行こ」

「おー、あ待って」

「なに？」

「俺掃除頼まれてたんだった」

「は？」

「ノート後で出しとくからそこ置いといて」

「部活先行ってていいから」




いやいや、なに当然のように掃除押し付けられてんの。めめ今日当番じゃないじゃん。




「いや、今日当番じゃないでしょ」

「そうだけど、頼まれたし」

「なにそれ、頼まれたら全部引き受けんの？」

「全部じゃないよ、ただゴールデンウィーク明けだしみんな疲れてんだろ？」

「そんなのめめだって同じじゃん」

「誰かがやらなきゃいけないんだったら俺がやるよ」

「……意味分かんない」

「ラウ？」




いよいよ限界だった。めめがそんなにお人好しなのも、そんなめめの優しさに漬け込んで何から何まで全部を押し付けてるクラスメイトも、もう無理だった。




「ただでさえ体調悪そうにしてんだからもう少し自分のこともいたわったら？？」

「言っとくけど傍から見たらまじで病人にしか見えないからね」

「そんな人に何から何まで全部押し付けてる奴らも意味わかんないしキモいけど」

「自分の体調管理も出来ない無駄にお人好しなめめだって同じくらい意味わかんないから」




一回口が滑ったらもうだめだった。止まれなかった。めめが悪くないことは承知の上で、傷付いちゃうかもってわかってたけど口が止まらなかった。




「はッ？なんでそんなキレて、」

「わかんない！！もう知らない！先行く！」

「ちょっ、ラウール！？」




両手に抱えていたノートを持ったまま教室を出て走り出す。途中で康二くんにすれ違ったけど止まれる余裕はなかった。









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